ジェヴォーダンの獣
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た。
ここより更に上の空でも轟音が響いている。
恐らくリカールも、楽ではない戦いに追い込まれているだろう。
ピピニーデンの恐怖が増大していき、ビームライフルのトリガーを引く指も止まりはしない。
ひたすらに乱射しまくってしまう。
カーキグリーンのMS、白いMS、それらに囲まれつつあり、
しかもその者達にビームライフルが当たらない。
(こいつら全員が、何という練度だ!我がピピニーデン隊以上の…!
たかだが民間のゲリラ組織の分際で、こんな悪夢があってたまるか!)
「…っ、下!?大尉!」
「な!?う、うわああっ!!」
真下から巨大なビームサーベルを振り上げたのはシャッコーであった。
全力のスラスターで特攻のような速度で2機のトムリアットの間を引き裂いた。
咄嗟に残った脚の後ろ蹴りでピピニーデン機を突き飛ばしたルペ・シノ機は、
シャッコーの振り上げた銃剣で今度こそ両足を失った。
「ぐっ、ううう!?脚が…!こ、この惨状はっ!!あなたが撤退を見誤ったから!」
「撤退?撤退など!こいつはクロノクルの仇なのだぞ!」
ルペ・シノが抱く怒りは、上司であるピピニーデンにも向けられていた。
明らかに深追いをしたからの損耗だ。
あの時にさっさと退いていればこの強敵達とは出会わずに済んだ筈だった。
「シャッコーッ!私より強いなどとあって良いはずがない!!」
上空に突き抜けて行ったシャッコー目掛けて、
ライフルを連射し続けそのままピピニーデンのトムリアットは突っ込んでいく。
シャッコーはビームを巧みに避けながら、
向かってくるトムリアットを銃床の光刃を振りかざし待ち受けていた。
「大尉ッ!!」
ルペ・シノは舌打ちをする。ピピニーデンが冷静さを失っているのは明らかだった。
「錯乱して…、ならば失礼するッ!」
シャッコーが迫るトムリアットへと光刃を振り下ろす、その直前…
ルペ・シノが放ったビームがトムリアットの頭部を貫いてシャッコーへ迫った。
一瞬、シャッコーの目のシールドカバーが開き朱いセンサーが剥き出す。
それはまるでシャッコーが驚愕しているかのように見えた。
意表を突いたであろうルペ・シノの一撃は、しかしシャッコーに直撃はしなかった。
トムリアットの頭部がメガ粒子に貫かれ熱で膨張するその一瞬を感じ取ったシャッコーが、
それと同時に体をスライドさせていたのだった。
ルペ・シノの放ったビームの粒子が薄っすらとシャッコーの腕部装甲を焼いた。
だ
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