ジェヴォーダンの獣
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エンジンのIフィールドが崩壊し燃えゆくトムリアットの動力部が臨界を迎え、爆ぜた。
核の光がトムリアット隊と、
そしてファラ直属のゾロ隊の一部を巻き込んで空を白塗りに染める。
「ああ!?トムリアット隊が…!」
飲み込まれずに済んだピピニーデンがその光景に叫ぶ。
光に飲み込まれなかったのは、爆発したトムリアットから離れていた数機。
後方にいたリカールと直掩機のゾロ、ピピニーデン機、
そしてその側に控えていたルペ・シノ機であった。
「なんということだ…生きてはいるが、あれでは!
…クワン・リー、戦えるのか!?」
白色光が消え去ると、装甲の所々を焼け焦がせ煙を吐くトムリアット、ゾロらが現れる。
ピピニーデンは前方指揮を執っていた第3小隊長のクワン・リー機に急ぎ取り付く。
「ダメージはありますが…まだ戦えます!」
「いい、退け!後は私とルペ・シノが――っ!来た!」
ビームの光が幾筋もベスパの大隊を襲う。
核の光でセンサーの精度と運動性が落ちた所に、
一気にリガ・ミリティアの増援が突っ込んできていた。
「これではいい的ではないか!動け!」
鈍い動きの機から狙い撃ちにされている。
核爆発が至近であったとはいえ自慢のフォーメーションが早々に崩れ、
トムリアット達が次々に被弾していく。
逃げていた敵新型部隊も転進し、上方からのMSと共にビームライフルの嵐を見舞ってくる。
トムリアット達は必死に動いてそれらを何とか躱しているが、
至近弾を受けてメガ粒子の塵に装甲やキャノピーが焼かれていった。
「た、大尉っ!あれを!!」
「っ!まさか!?」
軋む機体を立て直し、人型へと姿を変えたクワン・リー機が指差す方向。
そこには、イエロージャケットカラーの
失踪した新型が赤目を剥いてこちらを凝視する姿があった。
長大なライフルを構えて強力なビームを連射し、
しかも恐ろしい精度でこちらの泣き所を狙ってきていた。
「シャッコーを!!レ、レジスタンスめぇ…!
クロノクルを殺し!我が軍の新型を奪い己のものとしたのか!!」
「うわあああっ、た、大尉ぃ!?」
「キッサロリアッ!!?」
シャッコーが引き金をひくと、また1機がジェネレーターを貫かれて核の光に消えていく。
キッサロリアはピピニーデンよりも年長のベテラン兵だったが、
それでも反応できずに撃ち落とされるのは、それが敵の実力の証明であった。
シャッコー
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