野獣という男
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カラーリングも、ベスパの派手なオレンジイエローのままだしね」
マーベットはくすくす笑いながらウッソに同意を求めて、
「あはははっ、そうかもしれませんね。意外と優しい人ですし。
見た目は怖いですけど!」
少年も頷き、そして今度はマーベットは大きく笑う。
見た目が怖いのは誰もが同意することだった。
――
―
シャッコーと2機のVタイプは、太陽光降り注ぐ欧州の空を快調に飛ぶ。
今の時代、MSは輸送機を用いずとも推進剤を消費せずに延々と空を飛んで移動できる。
古いMSの常識を知るヤザンからすると、本当にこれは画期的な事なのだ。
今もその戦略的素晴らしさには感嘆を覚える。
「フフ…全く、艦や輸送機に命を預けなくていいとはな…これだけは良い時代だと思える」
カリーンから旧フランス領上空にまで変形も無しのMSだけで約2時間だ。
空の散歩レベルでこうなのだから、全く快適なサイクリングだとヤザンは思う。
「ヤザンさん、進行方向にミノフスキー反応です!」
Vタイプ2番機のウッソからだ。
「そうか。ならばもうすぐ光ぐらいは……ン?」
「あれは…」
Vタイプ1番機のマーベットも気付き、ヤザンが機体の速度を上げてウッソに言う。
「光が見えた。分かるか!」
「はい、戦闘中です!それもあれだけの光は…
少なくとも10機以上が入り乱れているんじゃないですか!?」
教え子の模範解答にヤザンは自然と口角が上がるのを感じた。
「そうだな、20はいる…良い判断だ、ウッソ。
ヤザン隊、行くぞ!太陽を背負って仕掛ける!」
丁度良い具合に太陽が高い。
ヤザンが叫びシャッコーを全速力で吹かすと、2機のVタイプもぴったりとそれに続いた。
ヤザン隊が獲物を求めて大空を飛翔していく。
長得物…フェダーインライフルUを構えたシャッコーの銃身が太陽光にきらりと光った。
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