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ヤザン・リガミリティア
野獣という男
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隊、

そしてヤザン隊はポイントD.D.ベチエンで集結しラゲーン基地へ総攻撃を仕掛ける予定であるが、

しかし衛星軌道上の巨大砲要塞建設進捗具合次第ではそのまま戦力を宇宙に上げて、

宇宙のバグレ隊とも合流し巨大衛星砲の攻略をする事も考慮に入っていた。

 

(バグレ隊は当初の予想より頑張ってくれているからな。

こちらの戦力も思ったよりも整ってきた…、

これなら予定通りラゲーン潰しが出来るかもしれん)

 

カサレリアで手に入れた2つの戦力…

その内の一つである新兵ウッソの上達具合も凄まじいし、

シャッコーの調整もヤザン好みになった。

Vタイプも、ヤザン、ウッソ、マーベットで仕上がったし、

シュラク隊もこちらに向かっている。

後は、ジン・ジャハナムのD.D.招集命令を待つばかりなのだ。

準備は出来上がりつつある…となればMS隊統括としての仕事はあらかた終わりである。

となると…、

 

「降下部隊…せいぜい楽しませてくれよ」

 

獰猛な戦士であり1人のパイロット、ヤザン・ゲーブルの顔がむくむくと鎌首をもたげてくる。

ヤザンは1人、部屋でほくそ笑んでいた。

 

 

 



 

 

 

トラブルというのはいつでも起きる。

順調だと思っている時程起きると思えるのは不思議なことだ。

ザンスカールが順調だと思っていた地球侵攻がオクシタニーで躓いて、

エリート街道を歩んでいたファラ・グリフォンが失速したように、

順調だったリガ・ミリティア達にもそれは起こるものなのだ。

 

「なに?シュラク隊がベスパに捕捉されたというのか?」

 

執務室兼自室でカテジナと共に事務仕事を片付けていたヤザンの耳にトラブルが届く。

肩を揺らして息せき切るのはネス・ハッシャーだ。

短めのセミロングボブの金髪が活発な印象を与える女性で、

メカニックが主な仕事だが何でも熟す万能屋であり気の強さはシュラク隊にも負けていない。

リガ・ミリティアのスタッフの多数が曰く、「黙ってればイイ女」と言われるぐらいには美しい。

 

「はい!アルジェから北上中に、西南に進路をとっていたベスパと鉢合わせたみたいで!

現在、アヴィニョン近郊で戦闘中です!」

 

全力で走ってきたようで、ネス女史の息はまだ荒い。

 

「ベスパが西南に、だと?

オクシタニーで甚振ってやったのを忘れてまた出てきたのか。

アヴィニョンならオリファーに預けた旧モンペリエ隊は何をやっている!

俺があちらにいなくても、

ちょっとやそっとのベスパなら追い返せる
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