野獣という男
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「俺達のバックにはそのアナハイムがいる。
奴らは商人だ…金にならん事には熱を入れんさ。
ガンイージもヴィクトリーも量産と販売が本当の目的だろうしな。
戦国時代なんだ…これはヒット商品になるかもしれんぞ」
「…俺達はアナハイムの広告塔ってことですか?」
「それでザンスカールに勝てるなら文句は言わんよ」
リガ・ミリティアがガンイージとヴィクトリーを売り捌けば、
それは何割かがリガ・ミリティアの活動資金として直接懐に入り、
そして残りはスポンサーのアナハイムとサナリィが取る。
両企業は商人で、彼らが慈善や善意だけで協力してくれるわけもない。
ザンスカールへの抵抗も、ガチ党のフォンセ・カガチが金持ち連中を
「金品の不正な受け渡しがあった」として
大量にギロチン送りにした事への警戒心がさせている事だ…というのがヤザンの予想だ。
リガ・ミリティアのMS運用計画ヴィクトリー・プロジェクトも、
スポンサーから見た真の目的は販売計画でもあるのだろう。
汚いことだと思えるが、
それでベスパのMSに対抗できる新型を貰えるなら構わなかった。
「それで、悪いニュースはなんだ」
「はい、えぇと…リガ派のアイルランド連邦基地からです。
衛星軌道上のザンスカール艦隊から、地球に降下した部隊がいます。
バグレ隊が艦隊といい勝負出来たのも、その部隊が直前に地球に行ったからだと…」
「ほぅ?つまり精鋭が抜けたのか」
「そうらしいっすね」
「そいつらの降下ポイントは特定できているのか」
「いえ、そこまでは…」
報告を聞き終え、
ヤザンは今朝はまだ忙しくて剃っておらず少し生えてきていた無精髭を擦る。
暫し黙って己の顎を擦っていたが、それもすぐ終えてヤザンはクッフの肩を叩く。
「…近いうち戦闘になるな。クッフ、MSをいつでも出せるようにしておけよ。
こんなとこで油売ってないでさっさとストライカーとネスを手伝ってきな!」
「えっ、は、はい!」
追い出され、去っていくカウボーイハットの若者の背中を見つつヤザンは思う。
(この状況で地球に降りてくる連中だ。腕利きだろうが…さてどうする)
本当に重要な事項についての暗号通信は、
レジスタンスの他の連中すら通さずに幹部だけが受け取るようになっている。
今、この欧州でジン・ジャハナムの真の意図を知るのは伯爵とヤザンだけだ。
カリーンでVタイプの最終調整を終えた後、カミオン隊とシュラク
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