蜂を駆る獣
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クで敵さんの新型をそこまで見抜くのか。
尊敬するぜ、オーティス爺さん」
「褒めても何もでんぞ。
悔しいが良い出来だな、こいつは…うちらのVも負けちゃいないが。
しかし…コクピットの電子系は取っ替えなきゃならん所がちらほらある。
このプラグもだめだし…ほれ、これも使えん。
チップも替えなきゃいかんなぁ」
「元は同じサナリィだろう。
今日中に使えるようにしてくれよ。ジェムズガンじゃこの先やっていけないんだ。
期待してたV型もコア・ファイターがこの調子ではな…」
「無茶言わんでくれ。パーツそのものはカミオンじゃ作れんのだ。
工場に着けば何とかなるが…それか、隊長が乗ってきたジェムズガンを部品取りにすれば」
「バカを言うな。今は動けるMSはこいつだけなんだぞ」
そんな2人の会話が聞こえていたのか、
カミオンの助手席からひょこっと顔を出したウッソ少年が彼らを見て言った。
「ありますよ!僕の家に行けば、少しぐらいそういうパーツあります」
森に不法移住して隠れ住んでいる一般市民が何故持っているのか。
オーティスとヤザンは互いに怪訝な顔を見合わせた。
――
―
端的に言うと、ウッソ・エヴィンはただの不法移民ではなかった。
何らかのスペシャリストの両親の元に生まれ、
しかもかなり幼い頃から英才教育を施されたとても特殊な…
悪く言ってしまえば歪な家庭環境で育った少年だった。
一昔以上前にゲームセンターに設置されていた臨場感抜群のリアルシミュレーターと
当時話題になった電子遊戯筐体を複数台所持し、
しかもそれに手を加えてより軍のシミュレーターに近づけたMSシミュレーターさえあった。
また、エヴィン氏の自宅地下は旧時代の役場のデータバンクに地下道で繋がっていて、
そこからケーブルを引き自宅から情報を閲覧…高度な学習までしていたのだった。
「両親は、今はどこにいるのかは知りません。こっちのシャクティもです」
言いながらウッソは褐色肌の美少女の頭を数度撫でた。
ウッソがパラグライダーで楽しそうに空で戯れていたのを遠目に見守っていたこの少女は、
パートナーが戦闘に巻き込まれたのをばっちり目撃し、悲嘆に暮れていたのだった。
シャクティ・カリンは今も半泣きべそで無事戻ったウッソの腕に抱きついてる。
こんな辺境の森で子供2人だけで支え合って生きている。
その光景を、ヤザンは何とも言えぬ表情で眺めていた。
「…両親は
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