蜂を駆る獣
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中々にシャッコーは粘る。
ジェネレーターのパワー自体はゾロと大差無い筈だが、
シャッコーのフレームや関節部が強靭であった為に、
結果、ゾロよりも強く素早い。
2機のゾロ相手に押し返せはしないが競り負けてもいなかった。
「力比べはもう充分だ。いい慣らし相手になってくれた事には感謝してやるよ」
「なっ!?シャッコーの肩がっ!」
2機のゾロが「勝てる!」と見込んだその時だった。
シャッコーの右肩アーマー先端の突起がスライドし、
迫り上がって回転…自在継手のフレームアームが第3の腕隠し腕のように動き出す。
シャッコーの右肩にはビームガンが仕込まれていたのだ。
自陣営のMSとはいえ新型の隠し武器を末端のパイロットが知りようもない。
驚愕したゾロパイロットは、その表情のまま
シャッコーの隠し武器2連ショルダービームガンにコクピットを焼かれてこの世から消えてしまうと、
主を失ったゾロはビームサーベル同士の鍔迫り合いから脱落し落下し森に消えた。
シャッコーの首が左方ビームローター側のゾロへ向くと
その狐目を見開き真っ赤な目を顕にして敵を凝視する。
「…っ!」
クロノクル探索隊ゾロの最後の1機であるそいつは、
自軍MSの象徴たるそのセンサーアイを見、初めて怖い≠ニ思う。
複合複眼式マルチセンサーに睨まれ、人間狩りを仕掛けられる地上の人間達の恐怖を、
今初めてこのパイロットは味わっていた。
(これが、狩られる恐怖…!)
「あ、あああ!か、母さんっ助け――」
恐怖でレバーを握る手が強張る。
ゾロの動きが引きつった。
それと同時にシャッコーの右腕に握られていたビームサーベルが、
薄っすらと光刃を投射しながら素早く的確にゾロのコクピットへと当てられた。
パイロットは母の姿を思い浮かべ、
虐殺していった人間達の亡霊を見ながら消し炭へと変わっていた。
「こいつで最後か?」
敵パイロットにそんな思いが去来した事など、
この男ヤザンは知ったことではない。
次の敵の姿を求め、シャッコーが目を見開いたままに周囲をセンサーで探査する。
モニターに映る、飛ぶゴマ粒の姿。
コンピューターが画像を拡大すると、そいつはどうもヘリコらしい。
ウーイッグ方面から新たに数機の機影がこちらへ迫るのが見えた。
(ウーイッグ方面のゾロがこちらへ回ってきた…光を見たか)
ゾロを何機か爆発させたその爆炎光を見たのだろう。
まだまだ戦いたい気分ではあるが、シャッコ
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