蜂を囚える獣
[2/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を派遣する。
どうしてもシャッコーのテストをしたいなら獣退治まで待つがよろしかろう」
ファラにとっては女王の弟から軍団苦戦中の嫌味とも掣肘ともとれるクロノクルの発言だが、
一番の問題は女王の弟に万・が・一・が起きてしまうことだ。
クロノクルに何かあったらファラは出世コースから外れるどころかギロチン送りだろう。
だが、クロノクルはただ手柄を立てて皆に…特に姉に男を示したいし、
それに純粋に友軍の役にも立ちたかった。
なので善意でこう進言した。
「シャッコーは優秀な機体です。その獣退治に、私も加えて頂きたい。
シャッコーの地上でのテストにうってつけでしょう。
必ず役に立ってご覧にいれます」
ファラは内心で天を仰ぐ。
なんと面倒な事になってしまったのか、と。
その後、何度も何度も20分近く似たようなやり取りをし、
散々ファラはクロノクルを制止してようやくこの青年は思い留まってくれたようだった。
「そこまで仰るなら…分かりました。
まずはシャッコーのテストに集中します」
「…それがいい。
どうしても中尉本人がテストをするというなら…まずは獣のことは忘れなければ。
中尉はシャッコーのテストだけに集中してくれ。
そちらの任務も大事なのだから、ベスパのイエロージャケットらしく頼む」
――
―
そういった事があって、シャッコーはカサレリア方面の空を飛んでいた。
ポイント・カサレリアは森が広がるだけの地帯で特筆すべきものない。
カサレリアにほど近い都市ウーイッグに関しては
レジスタンスの影響が浸透しているのではとベスパは疑いを持っており警戒しているが、
このカサレリアにはこれといった施設は見当たらず安全地帯であり、
新型のテスト飛行にはもってこいだというラゲーン上層部の判断であった。
このMS…シャッコー。
こいつはベスパのイエロージャケットの象徴機となるのを期待されてもいるし、
テスト中のプロトタイプということもあって
黄色味がかった鮮やかなオレンジで全身を染め抜いていて目立つ。
無駄な装飾や装備は無く、
洗練された丸みを帯びた装甲で身を覆うこのMSはスマートでヒロイックな機体デザインだ。
頭部も、ガンダムタイプを意識したのか2本の黒いアンテナブレードがVの字に配置され、
複合複眼式マルチセンサーの土偶のような鋭い目、
ガンダムタイプそのものの口部等もあって、
なかなか整った容姿を持つMSだった。
兵器は見た目も大事だ。
それによ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ