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ヤザン・リガミリティア
潜む獣
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ームは完成したとある」

 

「っ!え…そ、そいつは凄い!予定より3ヶ月も早いですよ!?」

 

オリファーは文書へ急いで目を通すと、ヤザンの言う通り…

早まったスケジュールでガンイージの生産が始まるとのことだ。

 

「俺が戦闘データを集めたんだ。当然だな」

 

ヤザンの鋭い目には自信が満ちている。

ヤザンという男はいつもこうだった。

 

「今月中にセント・ジョセフから稼働データが送られる。

そうすりゃ地上でも伯爵がV型を軌道に乗せてくれるだろう。

いよいよ堂々と反撃できるってもんだ」

 

リガ・ミリティアの主力MSは未だにジェムズガンだ。

ジェムズガンを上回るMSとしてジャベリンがいるにはいるが、

一部連邦軍基地が協力してくれているとはいえジャベリンは連邦の正規主力機。

旧式のジェムズガンと違って横流しは難しく、

リガ・ミリティアはあまりジャベリンを所持していない。

未だに田舎の警備等でちらほら見かけるヘビーガンなどは

もはや戦力的に論外の骨董品だ。

 

(…俺が尻を預けた最新機達も、

俺が寝こけている間に好事家しか興味を示さん年代物のガラクタアンティークになっちまった)

 

1年戦争やデラーズ紛争、グリプス戦役でも体感していたが、

改めて人間の技術の日進月歩に舌を巻きながらも、

来たるべき反撃の時を思いヤザンは自然と獰猛な微笑みを浮かべていた。

 

 

 

――

 



 

 

 

MSが揃わないレジスタンスが足踏みし、連邦が相変わらず惰眠を貪っている内に

ザンスカール帝国の地上侵攻の速度が加速度的に増した。

原因はゾロだ。

ゾロは、ゾロアットを地上侵攻用に改修した機体で、

傑作機ゾロアット同様地上で目覚ましい戦果を各地で挙げていた。

腕部のビームシールドらしき代物はビームローターと呼ばれる新技術で、

ミノフスキー粒子の効果によって

推進剤を消費せずに半永久的に大気圏内飛行を可能とする恐ろしいモノだ。

技術部の人間がやや興奮気味に

 

「つまり分かりやすく言うとですね!高出力のビームサーベルを高速回転させると

その下方にミノフスキー粒子の立方格子が生成されて

ミノフスキーエフェクトが物体を押し上げるんですよ!」

 

とか言っていたがヤザンは技術畑の人間ではないので話半分に聞き流していた。

が、とにかく革新的な技術なのはベテランパイロットであるヤザンにも分かる。

ヤザンとてあのビームローターが、旧世代のヘリのローターと同じ原理とは思って
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