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ヤザン・リガミリティア
潜む獣
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オイ・ニュング伯爵が音頭を取っているVヴィクトリープロジェクト。

その一つの成果である新型MSガンイージのプロトタイプが形となって花開き出した。

ヤザンがテストをし続けていた1機目に続いて

2機目もロールアウトし既に稼働データを収集しているとのことだ。

いよいよザンスカールMSへの対抗馬が本格的に動き出すということだ。

ヤザンはシュラク隊の訓練開始前は

ガンイージのテストの為に地球と月を往復する生活をしていて、

ザンスカールの目が地球にも光りだした最近では危険な行為でもあるし何より多忙過ぎた。

なので最近はヤザンは地球に留まっており、

今回の最終調整でも月に赴いたのはシュラク隊だ。

ヤザンの代理として彼女達がプロトガンイージのテストパイロットを引き継いだのだった。

そもそもガンイージは真っ先にシュラク隊に配備される予定なのだから

理に適った派遣だろうと思えた。

 

「くそッ…ザンスカール程の熱意が連邦に欠片でも残っていればな…。

ザンスカールはもうゾロアット以上の新型を作ってるって噂もあるのに

うちらはまだジャベリン以上の主力がいない」

 

月からの暗号化された報告を受け取りながらヤザンは毒づく。

ガチ党がザンスカール帝国となって以来、帝国の快進撃は続いている。

サイド2周辺の自治コロニー郡(実質、独立コロニー国家郡)は尽くザンスカールに敗れ、

月に首都を移した地球連邦は政府も軍もろくに動かない。

ザンスカールのやりたい放題であった。

 

(連邦は生きながら死んでやがる。これじゃあ存在する意味がない!)

 

かつて身を置き、世話にもなった連邦軍。

凍らされた恨みもあるが、ある程度の愛着はあった。

その成れの果てをまざまざと見せつけられるのはなかなか来・る・ものがある。

 

「…俺を凍らせた連中は、なかなか目の付け所が良かったのかもしれん。

女が戦場に出張り、古巣は病み衰えて無様を晒す時代…。

それをじっくり見せつけられる俺の身にもなってみろ。

俺への懲罰としては良い選択じゃないか…えぇ?そうは思わんか、オリファー」

 

月からの暗号文書をオリファーへ投げてよこす。

そんな上司を見、文書を受け取りながらオリファーはいつものように苦笑した。

往時の連邦を知り、そこの第一線で活躍を続けたヤザンだ。

余人には分からない怒りや悲しさがあるのだろうとオリファーにも分かる。

 

「…お気持ちお察しします。報告書も芳しくないんですか?」

 

「いや、こっちは芳しい。既にガンイージは8号機までフレ
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