置き去りにされた獣
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ん」
ヤザンの溜息にオリファーも苦笑する。
「そうですが仕方ありません。潜んでいる民兵組織ですからね、うちらは。
情報漏洩は普通の組織以上に死活問題なんですから。
それに今は女だって戦う時代なんですよ」
「女は腹がでかくなれば戦線離脱を余儀なくされる。
それに女の日なんざがあるのも面倒だ。
定期的にピルが必要になってちゃゲリラには尚更向かんだろうが。
MS戦が主流の現代じゃ、女の体を使う殺しも中世ほど役に立たんしな」
ヤザンは相変わらず女子供が戦場に出るのを嫌う。
特に、薬物の安定供給がなければ全日戦闘可能とならないという
女の月のものシステムにヤザンは不満があるらしい。
オリファーはまたも苦笑するしかない。
「抵抗組織のリガ・ミリティアでそんなこと言ってられませんって」
「まぁな。…仕方ないか…実際に会うまでのお楽しみにしておこう。
それに、確かにスコアは優秀だからな。
よし、上位20名に集合の通達をだしておけ。
明朝10時に集合。時間厳守。遅れた奴は落選だ」
翌日、時間通りに集まった新設予定の精鋭部隊、シュラク隊のメンバー候補を見て
ヤザンとオリファーが愕然としたのは言うまでもない。
「オリファー…貴様…」
「いやいや!ヤザン隊長もご存知でしょう!?
狙って女ばかり集めたわけじゃありませんよ!全部リガ・ミリティアの秘密主義が悪い!」
整列しているシュラク隊候補生から見えない物陰で、
ヤザンとオリファーは軽く言い争い状態に突入していた。
「俺は知っている。が、マーベットに勘ぐられても知らんぞ」
オリファーの肩が揺れる。
「じ、自分は隊長の指示で人選を行っただけであります!」
「なんだと?貴様、俺に責任転嫁しようというのかぁ!?」
ヤザンが受け持った訓練生の中でもマーベットは一目置く女パイロットだ。
平時は気立ても良く温厚で良識的。
男を立ててくれる良い女だが、怒ると結構怖い。
ヤザンですら稀にたじろぐ迫力を発揮する。
オリファーとマーベットは、
ヤザンの訓練に参加して出会いそこで意気投合し恋人となったわけだが、
訓練生時代にオリファーに悋気を発揮するマーベットを多々見ている。
ヤザンとて巻き込まれなくてもいい夫婦喧嘩には巻き込まれたくないのだ。
二人は、あまり候補生を待たせてもイカン、
と言うことで言い争いも程々に皆の前に出る。渋々だが。
「…ようこそ地獄のキ
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