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神々の塔
第二十話 蛇の神々その十

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「それがな」
「聖徳太子が定めて」
「それでや」
「両方信仰する様になったのね」
「聖徳太子は仏教を深く信仰されて」
 そうしてというのだ。
「四天王寺も建立されたけどな」
「神道もなのね」
「帝に神道をおろそかにしてるから最近災いが多いとかな」
「そんなことも言ってたのね」
「そやったんや」
「そうなのね」
「仏教を深く信仰しつつ」
 それと共にというのだ。
「神道も深く信仰する」
「そうした方やったのね」
「そやってん、それで皇室の方々もな」
「神道の総本山みたいなお立場で」
「仏教も信仰されてて」
「出家も出来たのね」
「それでその法皇様の中に」
 芥川はさらに言った。
「後白河法皇もおられたんや」
「平家物語のあの方やな」
 今度はシェリルが言ってきた。
「今様と謀略が好きな」
「謀略はな」
 芥川は苦い顔になってシェリルの言葉に応えた。
「まあな」
「実際によおされてたな」
「歴史見てもな」
 それでもというのだ。
「どうもな」
「否定出来へんな」
「ああ、しかしちゃんとな」
「見るべき部分もあるな」
「結構気さくで茶目っ気もな」
「備えてる方やってんな」
「ああ、それでこの方もな」
 後白河院もというのだ。
「仏教をな」
「深く信仰されてて」
「神道とな」
 そしてというのだ。
「仏教をや」
「同時に信仰されてて」
「出家もされたんや」
「それで法皇になられたんやな」
「矛盾してるというかな」
「おかしいとな」
「他の国では思うな」
 こうシェリルに問うた。
「ほんまに」
「何で神道のトップの方が仏教のお坊さんになれるか」
「どっちも信仰出来るか」
「中国の道教と仏教の関係ともまたちゃうやろ」
「中国では仏教抑えもしてるしな」
 三武一宗の法難という、ただしこれは伸張し過ぎた仏教勢力を抑えるという日本で言う織田信長の宗教政策と同じ様なものだったという説もある。
「道教はせんで」
「一緒に信仰するというより」
「どっちかって感じやったな」
「そやったな」
「そやな、この世界の中国でもな」
 芥川はこちらの世界の話もした。
「そうした感じやな」
「一緒に信仰するか」
「共存はしてても」 
 それでもというのだ。
「一緒に信仰することは」
「ないな」
「起きた世界の皇帝も」 
 彼等もというのだ。
「どっちかというか」
「基本道教やったな」
「信仰してる宗教は」
「唐でも宋でもそうで」
「明もそうやと言えるな」
「そやな」
「というか皇帝の概念がな」
 羅が言ってきた。
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