第八十話 久しぶりに会ってその六
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「飛行機見せればいいて感じでな」
「そんなのなの」
「それで陸自さんはな」
「そういうのなくて」
「一番親切らしいな」
「それははじめて聞いたわ」
「ただな」
鳴海はこうも言った。
「先輩陸自さんが一番服のセンス悪いってな」
「そう言われてたの」
「前緑の制服だっただろ」
陸上自衛隊のそれはというのだ。
「それが濃い紫になってな」
「そう言われてるのね」
「一番恰好いいのは海自さんでな」
「冬は黒と金で夏は白で」
「特にあの詰襟がいいってな」
夏の礼装がというのだ。
「そう言われてるんだよ、それで先輩の学ランそれなんだよ」
「ああ、白の詰襟ね」
「それなんだよ」
所謂白ランである、二人が通っている八条学園は様々な種類の制服がありその中にそうした学生服もあるのだ。
「いつもこれ見よがしに着てるよ」
「汚れ目立ちそうね」
かな恵は飲みながら言った。
「あの制服じゃあ」
「ああ、だから凄くな」
「汚れに気をつけておられるの」
「マジで目立つからな」
鳴海は真顔で言った。
「あの制服だとな」
「汚れがね」
「もうカレー食う時なんてな」
それこそというのだ。
「洒落になってないってな」
「言われてるのね」
「格好良くてもな」
それは事実だがというのだ。
「着るにはな」
「苦労が必要なのね」
「それで先輩下着ボクサーだけれどな」
今度はそちらの話をした。
「白いズボンだと色が透けるって言ってな」
「白なのね」
「それでも白ブリーフは嫌だってな」
「ボクサー派でなのね」
「言われてるよ」
「ブリーフって今少ないでしょ」
かな恵はそれはと返した。
「ゴルゴさん位でしょ、穿いてるの」
「ああ、あの人ブリーフだったよな」
「そうよね、けれどうちお父さんはトランクスで」
「明男もかよ」
「ああ、明男ボクサーよ」
こちらの下着だというのだ。
「黒のね」
「恰好いい下着がいいってか」
「そう言ってね」
それでというのだ。
「小学校の時からお母さんに言って」
「ボクサーなんだな」
「そうなの、お洒落だとか言って」
「そうか、俺はトランクスだけれどな」
「自分で言う?」
「隠しても意味ないからな」
それでというのだ。
「俺は隠さないよ」
「そうなのね」
「見せもしないけれどな」
「そうなの」
「ああ、それでその先輩どうしてブリーフが嫌いか」
このことも話した。
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