暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第155話:靄が掛かった記憶の果てに
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、何処か懐かしみ、慈しむ様な優しい笑みだ。

「ふっ……」
「え?」

 何故笑みを向けられるのかが分からず首を傾げた颯人だったが、それを問う前にサンジェルマンはレギオンファントムを睨み付けるとその足元に転移結晶を投げつけた。

「何ッ!? これは――」
「あの子に、手出しはさせない」

 サンジェルマンが投げつけた転移結晶により、レギオンファントムはその場から強制的に転移させられ姿を消した。それを見てカリオストロは呆れたように声を上げた。

「入れ込み過ぎじゃない、サンジェルマン?」
「放っておいて。それよりカリオストロ、プレラーティ。ここは退くわよ」
「ま、それは賛成。ヨナルデパズトーリがやられたしね」
「態勢を立て直すワケダ」

 新たに転移結晶を取り出し、何処かへと転移しようとするサンジェルマン達。訳が分からないと、颯人はそれを引き留めようと手を伸ばした。

「おい、ちょっと待てって! アンタ達一体……」
「何れ、また会いましょう。その時は、《《久し振りに》》じっくり話しましょう」

 その言葉を最後にサンジェルマン達は姿を消してしまった。

 後に残されたのは、破壊された飛行場と颯人達のみ。

 その中で颯人は、先程までサンジェルマンが居た場所に向け伸ばした手をそのまま自分の顎へと持って行った。

「久し振り? また会おう? ん〜……」

 何かを思い出せそうで思い出せないもどかしさ。まるで何かが喉奥に引っ掛かったような気持ち悪さを抱えつつ、一先ず事態が収束した事を弦十郎に伝えるのだった。
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