大会に向けて
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「グレイ様!!はい、あーん」
「あ・・・あーん」
すると遠くの方からジュビアさんとグレイさんのいちゃつく声が聞こえてくる。最近ジュビアさんからのアプローチに耐性がついてきたのか、グレイさんは顔を真っ赤にしながらも口を開いてそれを食べていた。
「なんかグレイさん、丸くなったよね」
「いつからだっけ?」
「100年クエストの辺りからかな?」
ジュビアさんと離れる時間が長かったからなのか、彼女のことを前とは違ったように接している彼にいまだに慣れないけど、ジュビアさんが幸せそうでよかったように思える。
「シリル」
「ん?」
ニヤニヤしながら二人の様子を見ていたところ、ウェンディが何を思ったのか頬を赤く染めながらこちらを見てくる。その手には箸が握られており、何をしようとしているのか何となくだがわかった。
「はい、あーん」
ジュビアさんの押せ押せ感に感化されたのか、顔を赤くして同様のポーズをしてくるウェンディ。突然の行動に俺も恥ずかしさを感じたものの、すぐに口を開けてそれに答えた。
「うまっ!!」
恥ずかしさに負けるかと思ったけどそれを覆す料理の美味しさに思わず声が出てしまった。なぜこんなに美味しい料理を忘れていたのかと一瞬考えたけど、よく考えたら前回はウェンディたちが酔っ払って料理全部食べちゃってたからこれのこと知らなかったんだ。しかもそのあとは星霊界で残りの修行期間全部消化しちゃったし。
「そういえば聞いたか?」
「何が?」
「大魔闘演武の予選、既に行われているらしいぞ」
エルザさんが隣にいたルーシィさんにそんなことを話していた。予選免除の俺たちは知らなかったけど、今回は前回とは異なり勝ち抜き戦による予選を行っているため、今の時期から既に行っているらしい。何なら大会の一ヶ月前には参加するギルドを決めるとのこと。
「まぁ、そうなるよな」
「前のような予選では、免除されてるギルドに有利になりますからね」
グレイさんとジュビアさんの言う通り、前回のように夜中に予選を行ってすぐに本戦となると、事前に準備できているギルドが有利になる。そのことを配慮してのことなんだろうと察することはできた。
「どこが来たって関係ねぇよ。俺たちが勝つ!!」
「当たり前ぇだ」
「絶対に優勝しましょう!!」
気合い十分なナツさんとガジルさんに引っ張られるように俺も気合いが入る。すると、レビィさんが全員に問いかけた。
「みんなはどこが勝ち抜いてくると思う?」
唐突な問いに全員が思考に入ったため一瞬静かになる。最初に口を開いたのは、ルーシィさんだった。
「順当に行けば毒鬼の牙じゃないかしら?前回大会の優勝ギルドだし」
妖精の尻尾
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