大会に向けて
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びまくったもんな」
「あい」
辺りは暗くなり前回も泊まった旅館へとやってきた俺たちは用意されていた浴衣へと袖を通し食事が用意されている宴会場へと向かっていた。
「本当にこいつら一日遊んでやがった・・・」
「修行するとはなんだったんだ?」
「いや・・・一日くらいなら・・・」
結局その日は一日遊び尽くしたこともあり、ガジルさんは不満タラタラだったけどそれを俺は宥める。まだ大会まで期間もあるし、一日くらい大丈夫・・・だよね?
「ん?待てよ」
「どうしました?グレイさん」
遊び疲れてお腹も空いたため早く食事にありつきたいと思ってた俺たちだったが、そんな中グレイさんが突然足を止めたかと思うと、顔からどんどん血の気が引いているように見える。
「おい!!これまずいんじゃないか!?」
「あ?」
「何がだよ」
何をそんなに慌てているのかと足を止め彼の方へと向き直ると、彼は慌てた様子で勢い良く捲し立てた。
「あいつら・・・また酒飲んでるんじゃ・・・」
「「「「な・・・」」」」
その一言を聞いた瞬間、俺たちは走り出した。今回の合宿の面子はクリスマスの時と同じメンバー。そして思い出されるのは酔っ払った女性陣による横暴な凶行の数々。
「いざとなったら俺もお酒を煽るしか・・・」
「やったら殺す」
「すみません・・・」
いざという時は俺もあちら側に逃げようと考えたけど、隣を走るガジルさんがすごい形相で睨んできたので即却下。そうなるとあとはまだウェンディたちがお酒に溺れていないことを祈るしかない。
勢い良く襖を叩き開けるナツさん。俺たちはその後ろから顔を覗き込むと、そこには驚いた表情でこちらを見ているウェンディたちの姿があった。
「どうしたんですか?」
「そんなに慌てて・・・」
そう言ったジュビアさんとウェンディの表情にお酒を飲んだ時特有の赤みはない。他の皆さんも同様で、俺たちはホッと息をついた。
「いや・・・」
「よかった・・・」
「生きて帰れる・・・」
「「「「「??」」」」」
安堵の表情で涙を流している俺たちを見て何がなんだかわからないといった表情の女性陣。何事なのかと聞いてきた彼女たちの言葉を受け流しながら、俺はウェンディの隣へと腰を下ろす。どうやらレビィさんが妊娠中ということで今回はお酒の提供を断っていたらしい。こんなにガジルさんに感謝したのは妖精の尻尾に入って始めてかもしれない。
「どうしたの?シリル」
「ううん。なんでもないよ」
キョトンとした表情でこちらを見つめているウェンディに笑顔で返す。これには横にいたシャルルやセシリーも不思議そうな顔をしていたが、お前たちは記憶がないからいいんだ。何も気にしなくていいんだ。
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