大会に向けて
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けど、今回はこちらで一緒にトレーニングをすることにしたらしい。理由はもちろんレビィさんがいるから!!だと思って茶化したら強烈な右ストレートを受けたため頬が赤くなっているのは内緒です。
「あぁ。こういうのはメリハリが大切だからな。よく遊び、よく食べ、よく眠る」
「肝心の修行はどうしたんだ?」
「それがエルザさんだからね〜」
「あい」
以前にも聞いたことがあるような発言を既に海の中へとダイブしているエルザさんが言う。それに冷静な突っ込みを入れるリリーだが、後ろで返事をする二匹もすでに浮き輪を携え遊ぶ気満々だ。
「でも一日くらいならいいんじゃない?」
「私も!!明日から頑張れば大丈夫だよ!!」
「そう言って失敗したのが前回だけどね」
すっかり大きくなったお腹を支えながらやってきたレビィさんと彼女の言葉に同意するルーシィさん。そんな中シャルルだけは一人不安そうな顔をしていた。
「大丈夫だよ、シャルル」
「そうそう。今回はあの時みたいにブランクがあるわけでもないし」
「そう言う問題じゃないのよね・・・」
前回の大魔闘演武に向けた修行の際は星霊王のせいで全く修行をすることができずに大会本番を向かえてしまった。ウルティアさんのおかげで魔力を限界まで高めて臨むことはできたけど、もう第二魔法源による成長はできないことを彼女は伝えたいのだろうけど、さすがにあんなことには二度とならないと思うので問題ないだろう。
「と!!言うわけで!!」
今日は息抜きということで早速海に繰り出そうとした。そんな俺に後ろからガジルさんが声をかけてくる。
「おい、ガキ」
「なんですか?」
「まさか呑気に遊ぶ訳じゃねぇだろうな?」
何やら凄んでいるガジルさんだけど、まさしくそのつもりなのでそれを言い当てたくらいでなんなのだろうかと思っていたところ、彼は自身の腕を鉄へと変えて俺をさらに鋭くなった目で睨んできていた。
「火竜たちがあの様子じゃつまんねぇ。勝負しろ、ガキ」
「やだ」
「即答!?」
どうやら彼はバトルしたくて仕方がなかったようだけど、俺はそれを即座に却下した。だって今日は遊ぶつもりだったから戦うつもりなんて毛頭なかったし、すでに膨らませたビーチボールを手に持っている身としてはすぐにでもこれを使いたくてしょうがないのだ。
「てめぇ!!逃げんのか!?」
「だってガジルさんとじゃつまんないもーん」
「あ!!待てゴラ!!」
チーム分けに関しては不本意だったけど、あのあとマスターやミラさんから説得されて納得したので無駄な戦いはしないに限る。俺は後ろで何か言っているガジルさんを置き去りにして、先に海へと駆け出していたウェンディたちの元へと急ぐのだった。
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