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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
お礼にあたしは、専属契約を結ばれる
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とになんてことを言ってくれたんだ。
「マイ。」
「うん?」
「明日出かけるぞ。葵殿の図書館だ。」
「うん。わかった。」
サーヴァントの急な無茶ぶりにマスターの舞さんは呆気なく承諾。
「待って急過ぎない!?図書館って横浜にあるんだよ!?」
「横浜…か。横浜ねェ…。」
そう言って悩ま始める北斎先生。
じゃあやめようかなぁと言ってくれるのにほんの淡い期待を寄せてはみるけど
「そういや探偵殿は東京だったナ。」
「まぁ…うん。」
そう言うと北斎先生は
「じゃあ東京に行ってから横浜に行こう。」
とか言い出した。
「え…?」
「東京のいるかしょうだったか?ともかくそこにいるんだろ?。ならまずは探偵殿に会って礼を言いに行くのがスジってモンだ。」
いやまぁ、確かにそうだけれど…。
「よし決まりだ。明日の朝出発サ。」
「そ、それも急過ぎないですか?」
「マイもそれでいいかい?」
「うん、いいよ。」
あまりにも急な遠出。
明日の朝出発だと言う北斎に舞さんは嫌な顔1つすることなく二つ返事で了承した。
●
で、
「来たヨ。」
本当に来た。
あれからあたし達は北斎先生や舞さんと少し話してから図書館へと帰った。
後で聞いたけどここに来る途中、まぁまぁ大変なことがあったらしく割とドタバタしていたらしい。
偽装船?ハインド商会の子会社だと偽った葛城財団の罠に探偵さんが嵌ってしまい大変だったんだとか。
あのハインド商会を名乗って悪事を働くなんて命知らずにも程がある。
なんというか…葛城財団は海賊に喧嘩を売るのが好きなんだなぁと思った。
「んじゃあ早速見せとくれ。」
「あ待って!!」
図書館に上がるなり小説を見せろと勝手にパソコンに触ろうとする北斎先生。
「どうしてだい?いずれは人に見せるモンだろう?」
「それは人に見せる物じゃないんです!奥底にそっとしまっておくものっていうか…とにかく人目に触れちゃいけないものなんで!!」
「でもそれじゃ専属契約は結べねぇヨ?」
「はぁ!?」
いつの間にか無償の専属契約が小説を見せるという条件に変わっていたことに気付くあたし。
確かに、あの葛飾北斎が挿絵を描くというのは非常に光栄なことだし二度とないチャンスだ。
見せるか、見せないべきか…
いや待て。
そもそもこんな風になるきっかけを作ったのは…
「…。」
「なんでしょうか…そのような目で…。」
香子は今夜ブチ犯してやると心に決め、北斎先生を止める。
がしかし
「ホー、こいつかい?」
「えっ!?」
香子を睨みつけていたほんの一瞬の隙。
北斎先生はするりと抜けてパソコンの前にいた。
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