第十九話 悪魔の正義その十二
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「あっちでもな」
「神託で伺えてへんさかい」
「ほんまや」
「この世界を襲う危機は何か」
「それがや」
全くというのだった。
「わからへんわ」
「今はまだ」
「それがな」
このことがというのだ。
「難儀なところやな」
「ほんまそやね」
「言うてもしゃあないかも知れんけど」
それでもとだ、リーはさらに言った。
「出来れば早いうちにな」
「わかりたいわ」
「そやな、一体どういった危機か」
「皆不安やわ」
「不安はそれ自体が危機や」
「そやねんね」
不安についてはだ、綾乃も述べた。
「これが」
「ああ、不安になるとな」
「変な噂も信じやすいし」
「得体の知れん予言がな」
これがというのだ。
「実際出回ってるしな」
「世界が滅亡するとか」
「そういうのはな」
「対処しにくいわ」
「もうあれや」
リーは難しい顔で話した。
「予言の本はそれを一旦ばらばらしてな」
「適当にまとめなおしたのを政府が出して」
「これが予言やてな」
「言うてるけど」
この世界の言語でだ。
「宋の太祖がやった通りな」
「趙匡胤さんやね」
「あの人のやり方でな」
中国の歴史上でも特筆すべき英雄と言われている、ただ君主の器だっただけでなく極めて鷹揚で慈悲深く気さくな人物であったという。
「そうしたけどな」
「そのやり方でやってみて」
「それでな」
「抑えてるけど」
「いや、不安やとな」
「そこで怪しい予言出して」
「そして惑わしたりな」
その様にしたりというのだ。
「金儲けにしたりする」
「予言の本出して売ったり」
これは作者も出版社両方のことを言っている。
「最悪カルト教団で」
「言うたりな」
「そうしてるから」
「もうな」
「捨ておけんわ」
「予言自体は無視してもええが」
「それが社会不安を煽って」
綾乃は一国の棟梁として言った。
「そして」
「そのうえでな」
「お金儲けとか自分の権力の為に悪用するとか」
「そうしたことはな」
「絶対に放置出来んわ」
「特にカルト教団は」
リーは彼等のことを特に警戒して言った。
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