プレリュードその四
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「貴様、何故ここに」
「お互い生きている様だな」
リュウオーンであった。しかし今は人間の姿をしている。
「しぶといことだ」
「御主も何故生きておる」
「悪運が強かったと言っておこう」
だからだというのである。
「それで俺は生き残った」
「左様か」
「ただし力は失われた」
それはだというのだ。
「しかしだ。貴様はあるプレシャスを持っているな」
「むっ!?」
「一万年の眠りを維持させるそのプレシャスをだ」
「あの賢者の石か」
「そうだ、あの万能の宝石だ」
それをだと。棺から上体を起こして顔を向けてきている彼に対して言うのであった。
「あれの力を貸せ」
「それでだというのだな」
「そうだ、リュウオーンの姿に戻る。そして」
「そして?」
「もう一度プレシャスを探す」
そうするというのである。
「その為にだ。後はだ」
「まだ何かするつもりなのか」
「闇のヤイバにクエスター達もだ」
彼等の名前も出て来た。
「全員だ。この世に戻せ」
「また無茶苦茶を言うのう」
ガジャはリュウオーンの主張に呆れた顔で返した。
「あんな連中を復活させるのか」
「復活させる。そうしてだ」
「最早プレシャスだけではないな」
「そうだ」
まさにその通りだというのだった。
「ボウケンジャー達に復讐だ。最高のプレシャスを奪い取ってだ」
「最高のプレシャス?」
「貴様の持っている賢者の石と並ぶ最高のプレシャス」
そうしたものもあるのだという。
「あの聖杯をだ」
「聖杯をか」
「そうだ。ボウケンジャーを出し抜いてそのうえで手に入れる」
こうするというのである。
「そうしてやる」
「ふうむ。本気なのだな」
「冗談でこんなことを言うものか」
その赤い禍々しい姿での言葉は何よりも説得力があった。
「これでわかったな」
「わかった。それではだな」
「そうだ。いいな」
「あの者達も復活させるとしよう」
彼等も胎動をはじめた。ありとあらゆる組織が動こうとしていた。そしてであった。
三途の川においてもである。ドウコクが暗鬱な船の中でシタリと話をしていた。そこにはアクマロも共にいる。
「どうもだ」
「そうじゃな」
シタリはドウコクの言葉に対して返す。
「最近わし等もあまり派手に動いていなかった」
「それでは三途の川の血は満たされん」
ドウコクが言うことはそれだった。
「どうしてもな」
「左様ですなあ」
アクマロもドウコクのその言葉に賛成して頷く。
「それではあきませんからなあ」
「十蔵や薄皮はどうしている」
「連絡はついてます」
アクマロがドウコクの言葉に答える。
「それは既に」
「そうか。それならだ」
「行きますな」
兵を進めるというのである。
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