第七十九話 夏の終わりでその十四
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「お子さんまで出来た後だし」
「その方が帝になられてな」
「もうね」
「後悔先に立たずって言ってもな」
「とんでもないことしたわねあの人」
「それであの作品読んだ男が皆あの人みたいかよ」
その源氏の君の様なというのだ。
「違うだろ」
「そうだったら怖いわね」
「怖いなんてものじゃないぞ」
それこそというのだ。
「だからな」
「そうした雑誌にそんなお話があっても」
「別にな」
これといってというのだ。
「殆ど全ての人はそうした趣味もないんだよ」
「それは私もわかるわ」
「それで明男もな」
彼もというのだ。
「姉と弟なんてな」
「そんな趣味ないのね」
「そうだよ、俺だって従姉の姉ちゃんに興味ないしな」
「鳴海っちもなの」
「何かタイプじゃなくてな」
それでというのだ。
「背が高く手日焼けした肌できりっとしててな」
「美人さんじゃないの?」
「奇麗でもタイプじゃないんだよ」
例え外見はそうでもというのだ。
「これがな」
「そうした人なのね」
「ああ、あいつは同級生派だからな」
「私は安心していいのね」
「しかも他の娘の下着を盗むとかな」
「そんなこともしないのね」
「そりゃ興味はあるだろうさ」
鳴海もそれは否定しなかった。
「あいつだってな」
「男の子だし」
「男で女の子の下着興味ない奴なんてな」
それこそという返事だった。
「もうな」
「いないのね」
「まずな、それでな」
そのうえでというのだ。
「鳴海もそうだけれどな」
「私のには興味がないのね」
「そうだよ、だから本当にな」
「気にしなくていいのね」
「そうだよ、ただ用心はな」
これはというと。
「普段からな」
「しておいた方がいいわね」
「興味なくても男って急にな」
「ムラッときたりするっていうわね」
「そうした時あるからな」
鳴海はその男として話した。
「だからな」
「お家の中でも用心ね」
「変に露出多いのはな」
家の中でもというのだ。
「気をつけてな」
「しないことね」
「そうしなよ、うちの母ちゃんみたいにババシャツとか股引はな」
「よくないのね」
「父ちゃんも冬股引で下のトランクス透けてな」
そうした格好でというのだ。
「もうおっさんおばさんだけれどな」
「色気ないっていうのね」
「そういうのは俺も引くけれどな」
それでもというのだった。
「あまり家の中でもな」
「露出はなのね」
「ない方がな」
その方がというのだ。
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