第七十九話 夏の終わりでその十一
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「何で人の人権侵害する奴の人権考えないといけないんだよ」
「そんなのどうでもいいわよね」
「いいよ、それよりもな」
鳴海はさらに言った。
「大事なのは生徒でな」
「いい先生がいてくれないとね」
「ああ、それで俺そんな先生とはな」
「全く違うからね」
「どうせそんなこと言う先生ってセクハラだってな」
こうしたこともというのだ。
「するだろ」
「女の人見下してたらね」
「もう普通にな」
それこそというのだ。
「やるだろ」
「そうした人ってそうなのよね」
かな恵も否定しなかった。
「これが」
「そんな汚いこともな」
「鳴海っちしないのね」
「そりゃ興味はあるさ」
「それでもよね」
「けれどそんなことはな」
絶対にという口調で言い切った。
「俺はな」
「しないわね」
「ああ、それでな」
そのうえでというのだ。
「かな恵とだけだよ」
「そうなのね、私もね」
「俺だけか」
「そうだから」
それでというのだ。
「安心してね」
「ああ、けれどお互い知らないしな」
「それでも鳴海っちがリードするのね」
「その時はな」
「そこまでこだわらなくてもいいのに」
「勉強しとくからな」
「しなくてもいいでしょ」
かな恵は笑って返した。
「こうしたことは」
「いや、知らないと何も出来ないだろ」
「だからお勉強するの」
「そうしとくよ」
「それじゃあそうした漫画読んだらいいんじゃない?」
かな恵はここでも何でもないといった口調と声で話した。
「DVDとかね」
「そうしたのでか」
「読んで観てね」
その様にしてというのだ。
「勉強すればいいでしょ」
「ああいうのも勉強に使えるのかよ」
「そうじゃないの?」
「また違うと思うけれどな」
「じゃあ参考にしないの?」
かな恵は鳴海に問い返した。
「他に参考にするのあるの?」
「いや、そう言われるとな」
鳴海は返答に困ってこう言った。
「ちょっとな」
「ないわよね」
「ああ、漫画やDVDだけでなくな」
鳴海はさらに言った。
「小説やゲームだってな」
「そうよね」
「やっぱりそうしたことってな」
「そうしたことを扱ったのよね」
「昔はそういうのちゃんと書いた教科書みたいなのあったらしいな」
性教育としてだ、大名家の姫君等は嫁入りの際にそうした本を与えられて読んでそして知識を備えたという。
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