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溜息の時計
第二章
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「一定の間隔だから」
「時計かしら」
「そうそう、それみたいにね」
「一定の間隔で」
「溜息出してるね」
「見たら飲んでないし」
 前にあるカクテルをだ、それはブラッディメアリーだった。
「全くね」
「そうだね、飲むお店なのに」
「それでも飲んでないって」
「余程ね」
「何か考えているのね」
「憂いてね、何かな」
 譲は美女のことを考えつつ話した。
「考えていることは」
「気になるわね」
「プライベートのことには入るべきじゃないけれど」
「気になるわね」
「趣味のいいことでなくても」
 それでもいうのだ。
「そうなるね」
「何があったのかしらね」
「一体ね」
 二人で美女を見つつ話した、兎角美女は自分のカクテルには目をやらず右肘をつきそれを頬杖にしてだった。
 やたら溜息を出した、そしてだった。
 そうして三十分位過ごしていた、譲と奈央は彼女を自分達はカクテルを何杯かずつ飲みながら見守っていた。
 そうしていたがふとだった。
 美女は自分のスマートフォンを出した、よく見ればバイブレーションになっていた。それが動いたので出たのだ。
 それに出てすぐにだ、スマートフォンを見て笑顔になった。それで素早く入力してそれからはというと。
 うきうきとした感じになった、カクテルはそのままだったがそわそわとしだした。二人はそれを見て思った。
「いいことがあったね」
「そうね」
「何かわからないけれど」
「態度が一変したわ」
「さて、何があったか」
「ちょっと楽しみね」
「覗き見みたいで気が引けるけれど」
 それでもとだ、譲は話した。
「これからどうなるか」
「見たいわね」
「じゃあ見ようか」
「ちょっとね」
 二人で話して実際にそうした、すると。
 やがて美女に負けない位の整った外見の若い男性が来た、美女は彼が自分の席に着くと。
 遅いだの待っていただの言ってそうしてだった。
 一緒に飲みはじめた、それを見てだった。
 譲は笑って奈央に話した。
「溜息終わったね」
「そうね、原因もわかったわね」
「待ってたんだね、彼氏か誰かわからないけれど」
「そうね、人を待っていて遅れていて」
「それで溜息ばかりついてたね」
「けれど待っていた人が来てくれて」
「それで溜息も終わったね、よかったよ」
 譲は笑って話した。
「今は笑顔で」
「そうね、溜息より笑顔よね」
「あんな奇麗な人でもね」
 今は笑っている美女の横顔を見て話した。
「笑顔が一番だね」
「本当にね、じゃあ私達もね」
「笑顔で飲もうか」
「溜息を出すよりもね」 
 二人でこんな話をしてだった。
 笑顔で飲んだ、だが飲み過ぎて。
 それでだ、店を出た時二人でふらつく足で話した。
「笑顔で飲んだの
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