第三章
[8]前話
「今の軍服が」
「フランス軍のか」
「あの青と赤の軍服がか」
「目立ってか」
「それで攻撃を受けるのか」
「今時あんな目立つ軍服着ているとな」
当然だろという目での言葉だった。
「それはな」
「狙い撃ちか」
「そうなるか」
「決めているつもりが」
「そうなるか」
「そうだ、だからな」
それ故にというのだ。
「あの軍服何とかしないと損害が増えるばかりだぞ」
「くっ、世界のファッションリーダーの我々がか」
「派手さを諦めないと駄目か」
「それが時代か」
「地味な色にしないと駄目か」
「もう銃の性能も上がっているんだ」
射程も精度もというのだ。
「それだとな」
「目立つ軍服だとか」
「それならか」
「もう狙い撃ちか」
「そうなっていくか」
「だからな」
それでというのだ。
「もうすぐに軍服変えるんだ」
「そうするしかないか」
「我々が地味な色の軍服にするとは」
「屈辱だな」
「だがそうしないと損害が増える」
「そうなるからな」
「ここはすぐに変えることだ」
こうしてだった。
フランス軍は上は青下は赤の派手な軍服からだ。
水色の地味な軍服になった、すると戦場でこれまでの軍服よりも遥かに目立たなくなりその分だった。
攻撃を受けなくなった、それで損害は減り。
「軍服を変えてよかったな」
「損害が減った」
「これが時代ということか」
「もう目立つ軍服の時代じゃないか」
「そうなんだな」
フランス軍は誰もが頷いた、そしてだった。
彼等は以後それこそ今に至るまで他の国の軍隊と同じ様な色の軍服を着ている、もう派手な軍服はない。それが終わったのは一次大戦であった。武器の性能と損害の大きさは服装へのこだわりも変えるということか。
派手な軍服 完
2022・12・12
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ