第三章
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グラウンドに出た、すると彼が話した客達はだった。
今も焼肉を焼いて食べてだった、ビールを飲んでいた。そのうえで観戦しているが栗橋を見て話した。
「あいつ誰や」
「ああ、ドラフト一位の栗橋や」
「何でも結構打つらしいで」
「大学では結構やってたらしいわ」
「ほな期待出来るな」
「そやな」
こう話してだ、それでだった。
今度は栗橋にだ、飲んで食べながら言ってきた。
「おい栗橋こっち来い」
「こっち来て約肉食うか?」
「ビールもあるで」
「試合なんか止めてこっち来い」
「何か話してくれ」
「よかったわ女の子紹介するで」
「こんな野球か」
栗橋は彼等の言葉を聞いて呆れるばかりだった、彼がこれまで観たことのない野球でそうなった。そしてだった。
彼は野球をしていった、近鉄で外野のレギュラーとなり長打力と三振の少なさを武器に才能を開花させていき。
クリーンアップも打つ様になりチームのパリーグ二連覇にも貢献した、そのうえで近鉄一筋でユニフォームを脱いだが。
引退してからは藤井寺球場の傍でしゃむすんという居酒屋を開いてそこにずっといる、そして店に来た客に笑顔で話すのだった。
「いやあ、あの時は本当にですよ」
「驚きましたか」
「はい」
カウンターに座ってビールを飲んでいる客に話した。
「今じゃ考えられないですね」
「いや、昔もですよね」
「ええ、客席でなんですよ」
客にカウンターの中から笑いながら話した。
「焼肉を焼いて」
「ビール飲みながら観戦ですか」
「それでこっちに来て一緒に食わないかって」
「そんな風だったんですね」
「ええ、昔のパリーグは」
こちらの野球はというのだ。
「そうだったんですよ」
「近鉄の試合は」
「川崎なんか流しソーメンしていましたよ」
「それも凄いですね」
「もう今は絶対にないことですが」
それでもとだ、栗橋は話すのだった。
「そんな時代だったということですね」
「そうなりますね」
「ええ、それで東京からこっちに来て」
栗橋は自分の話もした。
「何だこれはってなって、それで今もです」
「藤井寺におられるんですね」
「こうして。もう何もないですけれどね」
それでもというのだ。
「このお店はここにあって」
「栗橋さんもおられますね」
「そうです、何か昔の野球のことを聞きたくなったら」
「その時はですね」
「こっちに来て下さい」
「わかりました、そうさせてもらいます」
客はウイスキーを飲みつつ栗橋に笑顔で応えた。
「日本シリーズのことなんかも」
「実は全然打てなかったですがいいですか?」
「はい、よかったら」
今度はそちらの話になった、一九七九年とその翌年のシリーズのことを。今ではもう昔のことだが栗橋は
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