第二章
[8]前話
「そんなに食わなくて休んでな」
「太らないのね」
「そうなるんじゃないな、じゃあな」
「そうしてみるのね」
「一度な」
こう言ってだった。
狙公は実際に猿達への餌の配分を逆にしてみた、朝は三から四に暮は四から三にだ。そうするとだった。
猿達は日中働いても腹が減ったと言わなくなり痩せた、狙公はそうなったのを見て妻に満足して話した。
「やっぱりな」
「よくなったわね」
「ああ、日中腹が減ったと言わなくてな」
そうなってというのだ。
「痩せたしな」
「問題がどちらも解決したわね」
「ああ、同じものを同じだけ食べても」
「問題は何時食べるかね」
「身体を動かす前だと沢山食ってもな」
「そこで力を使うから」
「太らないんだ」
食べた分身体を動かすからだというのだ。
「そして寝る前に少なく食うとな」
「太らないのね」
「そうだ、だからな」
それでというのだ。
「問題はな」
「何時どれだけ食べるか」
「そういうことだ、ではこれからはな」
狙公はあらためて言った。
「朝は沢山やって」
「暮は少しね」
「そうしていこう、わし等もな」
妻に自分達もと話した。
「朝しっかり食ってだ」
「暮は少しね」
「そうしていこう」
「そうね、それがいいってわかったから」
妻もそれならと応えてだった。
食事の配分を変えた、すると一家はよりよく働きかつ太らない様になった。
これは朝三暮四の逸話の異聞である、よく知られている話では猿の食事の量を減らすかどうかという話であるがこちらではこうした話になっている。
殆ど知られていない話であるが面白い話なので紹介させてもらった。一人でも多くの人が読んでくれたのなら幸いである。
朝三暮四 完
2023・1・15
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