第二章
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「いないわ」
「だからか、これからどうなるかわからないが」
「ええ、新大陸で暮らせるかわからないし」
妻もこの現実を話した。
「そして船も辿り着けるか」
「新大陸までか」
「わからないけれど」
途中で遭難するかも知れないというのだ、大海原が荒れたならどの様な船もひとたまりもないからである。
「けれどね」
「それでもか」
「生きるそして何よりもね」
「ピューリタンでいたいならか」
「行くしかないのよ」
その新大陸にというのだ。
「もうね」
「そうか、じゃあな」
「ええ、行きましょう」
「プリマスにか」
「それで船に乗ってよ」
そうしてというのだ。
「いいわね」
「新大陸に行くんだな」
「そうしましょう」
妻は夫の尻を叩いてだった。
子供達に最低限のものだけを持って夫と共にプリマスの港に赴いた、そうして二人で行くとであった。
そこに多くの者達が集まっていた、彼等を合わせて百人はいたが。
「皆か」
「ええ、ピューリタンでね」
「イングランドを逃れてか」
「そうしてよね」
「新大陸に行くんだな」
「火炙りにされるよりましだから」
そう考えるからだというのだ。
「このまま死ぬよりはよ」
「遭難するかも知れないしな」
「暮らしていかるかもわからないけれど」
その新大陸でというのだ。
「確実に死ぬよりはよ」
「ましか」
「だからよ」
それ故にというのだ。
「今からね」
「船に乗ってか」
「それでね」
その為にというのだ。
「これからよ」
「新大陸に行くんだな」
「そこで私達が信仰を守っても」
ピューリタンのそれをというのだ。
「本当にね」
「王様の目もないしか」
「自由よ」
「自由か」
「そこには自由があるのよ」
「そうなんだな」
「だから行きましょう、何もない場所で」
そしてというのだ。
「どうなるかもね」
「わからない場所でもか」
「そこには希望があるから」
だからだというのだ。
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