暁 〜小説投稿サイト〜
星河の覇皇
第八十四部第一章 梟雄の復活その十八

[8]前話 [2]次話
「いざという時に戦えません」
「前線が崩壊した時に即座に戦力を導入出来ねば」
「それは我々にもわかります」
 背広組つまり文民である彼等にもというのだ、軍事に携わっているとこれ位はわかってくる様になるのだ。
「その崩壊を食い止められません」
「ですからそれが必要です」
「ですから制服組の方々が言われる通りにです」
「予備戦力が必要ですが」
「それでもですね」
「このままでは」
「建造状況がぎりぎりなので」
 そうした状況だからだというのだ。
「やはりです」
「予備戦力となると」
「旧式艦艇ですか」
「それを持ち出すしかないですか」
「ここは」
「元々こうした時に備えてです」
 そしてというのだ。
「艦艇は用意していましたが」
「旧式艦艇はドッグに入れておきました」
「すぐにでも出せます」
「それが可能です」
「多少の整備が必要でも」
「出そうと思えば出せます」
「ですが」
 それでもとだ、彼等は暗い顔でさらに話した。
「やはり性能に不安があります」
「どうしても」
「旧式艦なので性能は落ちます」
 新型艦艇つまり前線に置かれているそれ等よりはというのだ。
「そこが問題ですが」
「背に腹は替えられません」
「まずは数ですから」
「数を揃えなくては」
 例えそれが戦力として落ちる旧式艦艇でもというのだ。
「そうでもしなければ」
「人員だけあっても意味がないです」
「人員と乗艦です」
「その両方がなければ宇宙では戦えないです」
 この辺りは人類が地球にあった頃の海軍と同じだ、人員と艦艇の両方があってこそ並び立つのである。
 それでだ、文官である彼等もこう話すのだ。
「それではです」
「例え旧式の性能が落ちる艦艇でもですね」
「数が必要ですから」
「それだけにですね」
「ドッグから出して」
「予備戦力を用意しなくてはならないですね」
「どうしても、しかし」
 それでもとだ、彼等は話すのだった。
「この状況は」
「どうにもですね」
「苦しいとしか言い様がないですね」
「今のティムール軍の状況は」
「二度の敗戦が大きいですね」
「随分と艦艇を失いました」
「修理も行なっていますが」
 損害を受けた艦艇達のだ。
「それでもですね」
「その艦艇達もですね」
「戦場への復帰が遅れていますね」
「どうしても」
「順調ではないですね」
「このこともです」
 損害を受けた艦艇の戦線復帰が彼等の主観では順調ではないということもというのだ、彼等は言うのだった。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ