第百話 夏の終わりその七
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「少ないのよ」
「そうよね」
「まああそこがおかしいだけだけれどね」
「あそこの国って軍隊にお金使って」
「それで将軍様にもよ」
「予算無駄に使ってるのね」
「軍事費が国家予算の四分の一でね」
それでというのだ。
「将軍様の贅沢費が二割よ」
「四分の一で二割五分、二十五パーセントで」
「二割で二十パーセントでしょ」
「無駄に半分近く予算使ってるのね」
「だからね」
それでというのだ。
「あそこはああなのよ」
「貧乏どころか食べるものさえないのね」
「そうよ、世界の最貧国と呼ばれていて」
そのうちの一つとされている、実際に北朝鮮はそう言われている国々の中の一つであり極めて貧しい水準にある。
「それがどうしてか」
「そんなところにばかりお金使っているから」
「それでよ」
その為にというのだ。
「ああした状況よ」
「馬鹿みたいなお話ね」
「日本は世界第三位の経済規模でね」
「宮内庁の予算全体がそれ位ね」
「大体六百億円でね」
「将軍様はもっと多いのね」
「そうよ、どっちが贅沢か」
それはというと。
「わかるでしょ」
「ええ、将軍様の方ね」
「日本の皇室は質素よ」
「そうよね」
「宮様のお家でも一年の予算何千万位だし天皇皇后両陛下で三億位だそうよ」
「えっ、三億なの」
両陛下に割り当てられる予算を聞いてだ、咲は思わず驚いて声をあげた。
「それだけなの」
「少ないでしょ」
「え、ええ」
咲は驚いたまま母に答えた。
「プロ野球のスター選手なんか倍以上貰ってるわ」
「そうでしょ」
「メジャーの人なんて」
「何十倍もでしょ」
「そうなのに」
「それがね」
「日本の皇室はそこまで質素なのね、それでお姫様ええと」
咲は少し記憶を辿ってから答えた。
「内親王殿下ね」
「日本ではそう呼ばれるわね」
「皇室の女性の方は」
「そうよ、それで日本のそうした方々はね」
「物凄く質素で」
「それでいて窮屈な」
そうしたというのだ。
「大変なお暮らしよ」
「それで私もよ」
「お姫様になりたいとはなのね」
「思わなかったわ、もう子供の頃でもテレビでね」
「大変なのわかったでしょ」
「ご公務ご公務で」
それでというのだ。
「一挙手一投足注目されて」
「なりたくないって思ったでしょ」
「ええ、お姫様は童話のね」
「白雪姫とか?」
「まあシンデレラかしらね」
自分が想像するお姫様はとだ、咲は答えた。
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