第四十四話
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第四十四話 博士のカツ丼
博士はカツ丼を食べてから一緒に食べた小田切君に言った。
「うむ、やはりカツ丼はよいのう」
「博士の好物の一つですよね」
「これを食べるとな」
食べ終わって満足している顔での言葉だった。
「実に幸せな気持ちになれる」
「そこまでお好きなんですね」
「日本には美味いものが多くあってな」
「カツ丼はそのうちの一つですね」
「お酒にも合うしのう」
「ご飯でもですね」
「そのこともあってな」
それでというのだ。
「カツ丼はな」
「お好きですか」
「それでじゃ」
博士は小田切君にさらに話した。
「また食うが」
「今日はですか」
「これでよい、では後はデザートじゃが」
「苺がありますが」
「それを貰う」
これまた笑顔での返事だった。
「これからな」
「そうですか」
「兎に角今はな」
「カツ丼を食べてですね」
「実に満足しておる、ただこの料理はな」
博士は小田切君にこうも話した。
「他の国にはな」
「ないんですよね」
「カツもまた違うしのう」
日本のカツと外国のそれはというのだ。
「これがな」
「お肉を揚げても」
「日本のカツレツは洋食の中にある」
「日本のお料理の一ジャンルの洋食のですね」
「そこにあってな」
それでというのだ。
「日本の料理でな」
「それで丼なんて」
「完全に日本の料理じゃ」
「そうですよね」
小田切君もそれはと頷いた。
「まさに」
「だからな」
「カツ丼はもう、ですね」
「日本の料理とじゃ」
「はっきり言えますね」
「そうした料理なのじゃよ」
博士は苺と牛乳を楽しみながら応えた、牛乳は小田切君が苺と一緒に出したものである。
「そこは小田切君も知っていて何よりじゃ」
「丼ということからわかりますよね」
小田切君は笑顔で言葉を返した、そのうえで彼もまた苺そして牛乳を飲んでデザートも楽しんだのだった。
第四十四話 完
2023・3・10
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