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第十九話 友情その一

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                第十九話  友情
 牙暁は彼自身の夢の中で北都と会っていた、そのうえで彼女と話していた。彼は北都に自分から言った。
「間もなくだよ」
「昴流ちゃんもね」
「この戦いに参加するよ」
「そう、それでね」
「彼とも戦うよ」
「決着がつくっていうのかしら」
「運命は決まっているから」
 牙暁はここでも悲しい顔で話した。
「だからね」
「昴流ちゃんは星ちゃんを倒しちゃうんだね」
「そう、そして」
「星ちゃんの因縁をね」
「今度は彼が引き継ぐよ」
「それが牙ちゃんの見た運命ね」
「うん、けれど」
 それでもとだ、牙暁は北都に言った。
「君はそうは思わないね」
「そう、何もね」
 北都は牙暁に笑って答えた。
「決まっていないよ」
「運命は」
「あのね、運命なんてね」
 笑ったままの言葉だった。
「本当にね」
「何もだね」
「決まってなくてね」 
 それでというのだ。
「これからね」
「どうなるか」
「色々な人の考えや動きでね」
「なっていくものだね」
「そうだよ、だからね」
「僕が夢で見たことも」
「だからあの人、桃生さんは助かって」
 そうなってというのだ。
「それでね」
「そのうえでだね」
「今は入院しているけれど」
「命に別状はないんだね」
「そうだよ」
「実は庚さんはあの人を殺すと」
 その様にとだ、牙暁は彼に話した。
「僕は運命を見たけれど」
「それでもよね」
「それが変わって」
 そうなってというのだ。
「あの人も助かっているよ」
「庚さんも悪人かっていうと」
「違っていて」
「それでよ、多分直前まで殺す様に言うつもりだったのよ」 
 庚にしてもというのだ。
「それがね」
「気が変わって」
「ああしてね」
「??に命じたんだね」
「そうだよ」
 こう牙暁に話した。
「あの人もね」
「そうなんだね」
「だからね」
 北都はさらに話した。
「昴流ちゃんと星ちゃんもね」
「運命は変わる」
「そうなるよ、私星ちゃんにもね」
「生きていて欲しいんだね」
「そうなの。星ちゃんはあまり生きたくないみたいだけれど」
 それでもというのだ。
「私としてはね」
「生きていて欲しいんだ」
「うん、この戦いでもね」
「けれど彼は」
「そう、私を殺したわ」
 北都は自分からこのことを言ってみせた。
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