第一幕その九
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「そちらもだよ」
「楽しめるのね」
「鱧料理だってね」
「そういえばあの街鱧も有名ね」
「その鱧もだよ」
こちらもというのです。
「かなりね」
「美味しいのね」
「そうだよ」
まさにというのです。
「だからね」
「ホテルで食べてもなのね」
「楽しめるよ」
「そちらも楽しみになったわ」
王女はこのことも聞いて笑顔になりました。
「ではね」
「早くだね」
「あの街に行きましょう」
黒と黄色の縦縞の街にというのです。
「そうしましょう」
「そうしたいけれど列車はね」
「この速度のままなのね」
「進むから」
だからだというのです。
「速く進んでいるけれど」
「これ以上急げないのね」
「そうだよ、だから今はね」
どうすべきかとです、魔法使いは王女にお話しました。
「列車の旅を楽しもう」
「それがいいわね」
「車窓から景色を見て」
「こうしておしゃべりをして」
「そのうえでね」
「楽しむことね」
「そうしたらいいよ」
笑顔でお話するのでした。
「今はね」
「そういうことね、それじゃあ」
「うん、そうしていこう」
「そちらも楽しいし」
「列車の旅もね」
「それは例え少しでも」
距離や時間がそうであってもというのです。
「楽しいものだね」
「ええ、列車の旅はね」
「歩いたり車の旅もいいけれど」
「列車の旅はね」
「それはそれでね」
「楽しめるから」
「そうしたらいいよ、空の旅も海や川の旅もね」
こういった旅もというのです。
「それぞれあるけれどね」
「楽しみ方がね」
「今はね」
「そうして楽しもう」
「車窓からの景色をお喋りをね」
こうお話してです。
皆で車窓からの景色それにお喋りを楽しみつつ街に向かっていきます、そこで魔法使いのスマートフォンにでした。
電話がかかってきました、それは誰からのものといいますと。
「やあ元気かい?」
「リンキティンク王じゃないか」
「左様、わしじゃ」
リンキティンク王は電話の向こうで笑顔で応えました。
「今わしは黒と黄色の縦縞の街におるが」
「私達が来ると聞いたんだね」
「ドロシー嬢からな、連絡を受けてな」
それでというのです。
「今こうしてじゃ」
「連絡をしてくれたんだね」
「そうなのじゃよ」
こう言うのでした。
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