第四章
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「そのうえでね」
「巨人を徹底的に叩いて欲しいわね」
「巨人は全人類普遍の敵だから」
言うまでもなく野球から見てもだ、このチーム程悪徳を極めた存在はこの世にないのでこれは当然のことである。
「それでね」
「そうして欲しいわね」
「巨人対セリーグの五球団じゃないんだ」
野球はというのだ、日本の。
「もうね」
「巨人以外の全部のチームがね」
「巨人を倒す為に存在しているから」
「交流戦ではね」
「パリーグの六球団もだよ」
その彼等もというのだ。
「徹底的にね」
「やっつけて欲しいわね」
「是非ね、しかしね」
「しかし?」
「いや、巨人って今も球界の盟主って言ってるけれど」
そう自称しているというのだ。
「そんなこと言ってるから駄目なんだろうね」
「そんなこと言ってしがみついていてね」
「それにこだわってるから」
だからだというのだ。
「かえってね」
「それ私も思うわ、何が球界の盟主よ」
クロワッサンを食べている兄に言葉を返した。
「今は同率リーグだってあるし」
「それでメジャーにも行けるし」
「他の国にもプロ野球あるし」
「巨人だけじゃないよ」
「そうよね、そんなこと言ってるチームはどんどん負けたらいいのよ」
阪神がその巨人に勝って極めて上機嫌になっている兄とこうした話をした、そうして朝食を食べ終わると歯を磨き顔を洗ってだった。
今日学校に持って行くものを点検してからそのうえで登校した、するとクラスではある日とのことで話題が持ちきりだった。
「大谷選手一六三キロの変化球投げるの?」
「それ本当?」
「最大百九十二センチ落ちる縦のカーブ投げて」
「一五一キロのスプリット投げて」
「一三八キロ五十三センチ真横に曲がるスライダー投げて」
「そんなボールも投げるの」
「そうみたいよ」
クラスメイトの一人が真顔で話していた。
「ユーチューブの動画で言ってたのよ」
「凄いわね」
「ストレート一六〇キロ以上投げて」
「最高一六五キロ投げて」
「そんな変化球どんどん投げるの」
「しかも打つから」
「バケモノね」
クラスメイト達は唖然としていた、そして。
千佳はその話を聞いてだ、こう言った。
「あの人日本シリーズでぶつかってね」
「ああ、千佳ちゃんカープファンでね」
「カープと日本ハムシリーズで戦ったしね」
「大谷さんが日本ハムにいた時に」
「それで千佳ちゃんも知ってるわね」
「桁外れよ」
千佳は真顔で言った。
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