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仮面ライダーAP
暗躍編 真凛・S・スチュワートという女 中編
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「……じゃあね。おやすみなさい」

 それから間も無く、その男の首にも刃が突き刺さり――この研究室一帯が、赤く血塗られて行く。戦闘員達の全滅を見届けた真凛は乳房を揺らして踵を返すと、デスクに残されていたノバシェードの作戦計画書に目を通していた。

「ノースカロライナのジャスティアドライバー研究所……『ニノマエラボ』、ね」

 そこには、変身ベルトの一種である「ジャスティアドライバー」に関する情報が記載されていた。どうやらこの施設の構成員達はここで作った怪人を使い、ジャスティアドライバーの研究施設「ニノマエラボ」を襲うつもりだったらしい。

(「彼」の戦闘記録は何度も読ませて貰ったわね。仮面ライダーオルバス……悪魔(オロバス)に近しい名を冠した「ジャスティアタイプ」の適合者、か)

 ジャスティアドライバーといえば、新世代ライダーの一員である「仮面ライダーオルバス」こと忠義(チュウギ)・ウェルフリットが使用しているベルトの名称だが、実はジャスティアドライバーを介して変身する仮面ライダーは彼1人ではないのである。

 稀代の天才女科学者・一光(にのまえひかる)。彼女が開発した、ソロモン72柱の悪魔――に近しい名を冠した仮面ライダーは「ジャスティアタイプ」と呼ばれ、番場惣太(ばんばそうた)総監が推進していた開発計画とは枠組みが異なっている。そのジャスティアタイプはオルバスを含め、なんと72機も存在しているのだ。

 だが、ドライバーに適合した人間でなければまともに扱えず、警察組織の装備として運用するにはあまりにもピーキーな仕様となっている。
 そのため身分や出自を問わず選抜されたオルバス以外のジャスティアライダー達については、その行動内容について疑問視されることも少なくないらしい。彼らの活動に関する記録は、真凛も対策室時代に資料で読んだことがある。

(……あの資料に誤りが無いのであれば、悪魔にあやかった名前に相応しい働き振りよね。番場総監主導の成果物(ニュージェネレーション)と比べて、メディアへの露出が少ないのも当然……か。到底、表社会にお見せ出来る代物じゃないもの)

 第55番機のオルバスが現役警察官の忠義に委ねられているのも、番場の計画に加わることによって研究開発の「大義名分」を得るためだという話もある。ノバシェードが諸悪の根源であることは疑いようのない事実だが、一光という人物も決して清廉であるとは言えないらしい。

「ソロモンの72柱を想起させる『悪魔』のドライバー……か。ふふっ、私のような人間にはおあつらえ向きかも知れないわね?」

 正義の味方を自称するには、あまりにもその道から外れ過ぎている。そんな一博士に対して思うところがあったのか、真凛は自嘲するような笑みを溢しながら――この研究所の「自
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