287 廃墟化した屋敷
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の方角だ。丁度君達が進んでいるその直線状に彼の根城があるよ』
「そうか、ありがとう。偽情報かもしれないが、そちらを当たってみるよ」
通信を終了した。
「冬田、北の方に進ませろ」
「は、はあい・・・」
三人は北へと向かう。
(杉山君、果たしてお前は大将に一歩前進したのか・・・。だが、俺はまだ認めるつもりはないぞ・・・)
三河口は戦争主義の世界の長と合体した少年の事も考えていた。
夜中に藤木救出班と杯の所有者を取り返す者、そして杯の在処を探す者らが激しい戦闘を繰り広げた紂王の屋敷は今は廃墟と化していた。建物の一部は壁や屋根が破壊されており、そこに住んでいた者は皆殺されたか別の場所へと逃走し、誰一人いなかった。そこに一機の飛行機が飛来する。
「ここね、例の戦闘場所は」
その飛行機は護符の所有者・羽柴さりの護符の能力で出された物だった。さりは飛行機を着陸させ、同行している者と共に降りた。
(ここで山田達は藤木君を取り返す戦いをしてたんだな・・・)
長山はこの地に行方不明となっていたクラスメイトがいたと思うともう少し自分が支援してやればよかったと悔しく思った。
(ごめんな、皆・・・)
と、その時、長山の通信機が鳴った。
「はい、こちら長山治」
『こちら北勢田竜汰だ』
「あ、お兄さん!」
長山にとって北勢田は知り合いの高校生でもある。
『今、そっちはどの辺にいるんだ?』
「ああ、うちのクラスメイトの山田かよ子達が戦ってた所にいるよ」
『紂王の屋敷だな?それなら話は早いかもしれん。その場に杯の持ち主の女の子もいたんだ。逃げられちまったがその行方を探れるか、君の眼鏡を使ってみて欲しい』
「はい、やってみるよ!」
長山は神通力の眼鏡の能力を行使した。杯の持ち主の所有者の行方を探知する。そしてその少女の姿が眼鏡に現れた。
(りえちゃんは・・・)
長山は確認した。杯の所有者は戦争主義の世界の長に連れて行かれていた。
(あれは杉山君じゃないか!!どこへ連れて行こうってんだ・・・!?)
そして方角も確認する。北の方角だった。長山は通信機を取り出して北勢田に繋げた。
「こちら長山治!確認したらりえちゃんは北の方角へ杉山君に連れて行かれているよ!」
『北の方角!?その杉山君ってのは治君の友達だろ?あの戦争主義の世界の長に寝返ったって奴か!」
「うん、そうなんだ!」
『チッ、面倒な事になっちまったな。ありがとう、気を付けるよ!』
通信は終了した。
「長山君、そのりえちゃんが杉山君と一緒にいるの?」
さりは長山と北勢田の会話を聞いていたのだった。
「うん、そうなんだ!」
「はあ、ウチの弟が・・・、いい加減にしなさいよ!」
杉山の姉・杉山もと子は弟の不可解な行動続きに
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