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おっちょこちょいのかよちゃん
287 廃墟化した屋敷
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 夜が明けた。かよ子達は朝食を済ませた後、あり達と別れて再び藤木の救出へと向かおうとした。その前にフローレンスから連絡が来て、藤木とりえの奪還に失敗し、取り逃がしてしまった事を伝えた。
『そうでしたか・・・。しかし、諦めてはいけませんよ。領土攻撃班も多くの領土を着々と我々の世界の領土へと戻していますのでいずれは追い詰めます事になりますからね』
「はい・・・!!」
『では、ご武運をお祈りしています』
「は、はい、ありがとうございます・・・」
 通信を終了した。
「山田かよ子、長山治にも連絡したほうがよいぞ」
「うん、そうだね・・・」
 かよ子は通信機を長山に繋げた。
「こちら山田かよ子。長山君、聞こえる?」
『あー、山田、どうしたんだい?』
「夜中まで藤木君とりえちゃんを連れ去ったって思われる人と戦ってたんだ。それで逃しちゃったんだけど、今藤木君やりえちゃんがどこにいるか探知してくれるかな?」
『ああ、それなら今知り合いのお兄さんからも頼まれて探してるところだよ。ちょっと待っててくれよ』
 かよ子は知り合いのお兄さんと聞いてりえの救出に当たっている北勢田の事だと解った。長山と北勢田は近所付き合いで仲が良いのだった。
「うん、待ってるよ」
 かよ子は情報を待ちながら北へと羽根を進めた。

 三河口はありと通信機で連絡を取っていた。
「そうですか、かよちゃん達は藤木君を奪い損ねた訳ですか・・・」
『うん、もっと北の方に逃げたらしいの』
「そうですか、それならさりちゃんと行動を一緒にしている長山治君と連絡を取り、りえちゃんや杉山君、藤木君の行動を探ってくれと頼むといいですよ。北勢田にも伝えましたが」
『うん、ありがとう』
 連絡を終えた。
「ねえ、やっぱりあの時、大野君達を待ってた方が良かったんじゃないかしらあ?」
 冬田は聞いた。
「それは大野君達の仕事だろ。俺達の目的は杯を奪い返す事だ。他人の手柄を横取りする気はない」
「それより三河口、あの狐に変身する女が言ってた言葉覚えてるか?」
「ああ、ヨウダイとか何とか言ってたな・・・。その場を凌ぐために嘘ついてた可能性もあるが、本部に詳細を聞いてみよう」
(ヨーダイ・・・、どうも昔の皇帝が頭に浮かぶんだが・・・)
 三河口は本部に連絡を取り始める。
「こちら三河口健。フローレンス、イマヌエル。夜中までかよちゃんやうちの従姉達と藤木茂がいるって屋敷での戦いに参加していたんだが、藤木やりえちゃんを攫ったとされる女から杯の在処について尋問した所、『ヨーダイ』様に預けたとか聞いた。ヨーダイについて何か情報知っているか?」
『こちらイマヌエル。煬帝か、勿論それは昔、中国にあった隋という王朝の皇帝だよ』
「そうか、その煬帝がどこに居座っているか解るか?」
『ああ、北
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