]世、他クラスの生徒と邂逅する。
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ろの堀北さんに「トイレの我慢は良くないわよ」と注意されてしまったくらいだ。
〜放課後、校舎裏〜
放課後になり、校舎裏に向かうと、すでに一之瀬さんが待っていた。
「あ! 沢田君!」
午後中そわそわしていた俺だが、俺に気づいた一之瀬さんの表情で勘違いであった事を悟ってしまう。
なぜかというと、一之瀬さんを取り巻く雰囲気が告白するって感じではないように感じたのだ。
むしろ逆で、誰かに一之瀬さんが告白されるんじゃないかって気がするぞ。
一ノ瀬さんは俺に近づくと、顔を赤らめてモジモジし始める。
「あの……あのね?」
「うん……」
「わ、私……」
「はい……」
「こ……こく……」
「……こく? (やっぱり告白されるんじゃないか?)」
「告白されるみたいなの! 今からここでっ!」
「へぇ〜そうなんだ。……え? 今からここで?」
俺の質問に、一之瀬さんはこくりと頷く。
(予想通りだったけど、まさか今からとは)
「……あの、俺邪魔じゃない?」
「ううん! お願いだから、ここにいて欲しいの!」
「なんで? 今から告白される相手がくるんでしょ?」
「そうなんだけど……そこで沢田君にお願いがあるの……」
一ノ瀬さんのお願いは、彼氏のフリをして欲しいというものだった。
なんでもクラスの女子から告白されるらしいのだが、恋愛がよく分からないらしく、できるだけ傷付けないように断りたいらしい。
相手が女の子だから、男子と付き合っていることにしたら納得してくれると思ったそうだ。
返事に困っていると、それからすぐに校舎裏に1人の女子がやってきた。
その女子は、俺と一之瀬さんが一緒にいるのを見て驚いた表情になった。
「あ……一之瀬さん? ……その人は一体……」
「あ、この人はね! 私の彼……」
「ただの友達です」
『!』
友達と断言した俺に、後ろの女子も一之瀬さんも目を見開いて驚いている。
俺はお願いを聞いてから思っていた事を、一之瀬さんに伝える事にした。
「一之瀬さん、告白するのってすごく勇気がいるんだよ。毎日悶々として、好きな気持ちが溢れて止まらなくなって、告白してみようと決心しても、どうしても最後まで勇気が出ない人だっているんだ。それこそ、死ぬ気にならないと告白なんて出来ない臆病者だっているんだよ。だからさ、一之瀬さんもあの子の精一杯の勇気を出した行動に向き合ってくれないかな?」
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