]世、裏の顔を知る。
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証明は簡単にできるから」
「……」
「私は本気……どうするの? 絶対にバラさないって誓える?」
「……わかった。わかったから離してくれ」
「……そう。よかった」
桔梗ちゃんが綾小路君の手を離した。そして手を離すと同時にいつもの笑顔に戻っていた。
「……よしっ! これで3人の秘密ができちゃったね♪」
満足そうにそう言うと、桔梗ちゃんはマンションに帰る道に向かって歩き始める。
「……じゃあ私は帰るね? 学生証端末はありがとう。じゃあまた明日ね♪」
「あ……待って! 桔梗ちゃん!」
離れて行こうとする桔梗ちゃんを、俺は無意識の内に引き止めていた。なんでそうしたのかは分からない。でも、ここで止めなかったら後々後悔しそうな気がしてならなかったんだと思う。
「……なあに? ツナ君。やっぱり取引をなしにしたいとか?」
「え? いやいや! 違うよ!」
「……じゃあ、何かな?」
「その、一つ言っておきたい事があって」
話す内容を考えなくとも、口が勝手に開き、勝手に言葉を並べていく
「……あのさ。もしもまた、今日みたいに溜まった鬱憤を晴らしたくなったら、俺を呼んでくれないかな?」
「……は? ……なんで?」
俺の言った事がカンに触ったのか、またも桔梗ちゃんの表情が冷たくなる。
「……今日みたいに外で物に当たり散らしてたらさ、いつまた誰に見られないとも限らないじゃない? その度に俺達としたみたいな取引してたら、せっかく晴らした鬱憤が無駄になるんじゃないかなって。それだったら、お互いに秘密を持っている俺に吐き出した方が、桔梗ちゃんにとっても安心なんじゃないかって思ったんだ」
「!」
桔梗ちゃんは一瞬驚いた表情になったが、すぐに冷たい顔に戻った。
「……なんで?」
「え?」
「なんでそんな事を言えるの?」
「……何でって言われても」
「前に私の本性を知った奴らはね。知った途端態度を急変させて、罵りまくってきたよ? それまで「櫛田ちゃん! 櫛田ちゃん!」って私を持ち上げまくってたくせにね。……なのに、ツナ君はどうして態度を変えないの? 今までの私と全然違うのに」
桔梗ちゃんの表情が少しだけ暗くなっている気がした。
「あ〜。確かに驚いたけど、人間いろんなものを抱えて生きてるからさ。一面だけで判断するのはよくないって思ってるんだ。あと……」
「……あと?」
「前に桔梗ちゃんに聞かれたじゃない? なんで今も体を鍛えてるのかって」
「……うん。覚えてるよ。大切
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