家庭教師、X世の同級生に会う。
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いる。
「……おかえりなさい。有栖さん。どこに行っていたんですか?」
「ただいまです、美紀さん。いえ、ちょっと沢田君の観察をしてきただけですよ」
「……そうですか。あの……あまり遅くなると、心配になるのですが……」
美紀さんと呼ばれる女子生徒の名は、山村美紀。坂柳と同様にAクラスに所属している、死んだ目が特徴的な女子だ。
山村は坂柳を少し過保護気味に心配して来るので、坂柳は少し鬱陶しさを感じていた。
「……あなたは私のお母様ですか。少しくらい大丈夫ですから」
「……しかし……」
「はぁ……」
心配するなと言っても通じないのはいつもの事。しかし、今日は山村の機嫌をよくするとある情報を坂柳は持っていた。
「……そういえば、今日あの方にお会いしましたよ。ほら、あなたが慕っているおじさまに……」
「えっ!? リボーンおじさまに? 会ったんですか!?」
いきなり雰囲気が急変する山村に、坂柳も戸惑いの様相を見せる。
「ち、ちょっと。声が大きいです」
「あ、す、すいません……」
「ここでは誰に聞かれるか分かりません。とりあえず私の部屋に行きますよ」
「分かりました……」
そして、2人はエレベーターに乗り込んだ。
?? 坂柳有栖の部屋 ??
部屋に入ると、坂柳はベッドに座った。一方で山村は、立ったままで坂柳の事をじーっと見つめている。
「……それで、リボーンおじさまに会ったんですか? 何かお話しましたか?」
「まぁ……はい。あなたによろしくと言っていましたよ」
「! 本当ですか! よかったぁ〜。おじさまも元気そうですね」
ほっと胸を撫で下ろす山村。しかし、そんな山村を、坂柳は複雑そうな顔で見つめていた。
「……あの」
「はい?」
「その姿でそんな反応をされると違和感がすごいので、元の姿でやってくれませんか?」
「えっ!? ああ、まだこの姿のままでしたね。すみません」
そう言うと、山村はブレザーから小さな箱を取り出した。
その箱は藍色の立方体で、頂点に丸い穴が開いている。
山村がその丸い穴に手をかざすと、山村の手に橙色の炎が灯った。そして、その炎は丸い穴に吸い込まれていった。
炎を全部吸い込んだ箱は、丸い穴の面だけが開き、そこから藍色の光が発生して山村を包み込む。
光が消えていき、だんだんと姿がはっきり見えて来る。しかし、そこに立っていたのは山村ではなく、服装が同じだけの別人
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