]世への刺客。
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自分の事をマフィアの回し者と言い切るその声に一瞬驚くも、山内は平静を装って会話を続ける。
「そうだぞ。それがわかったなら、本当の事を話した方が賢明だということも分かるな?」
「……ははは。ボンゴレ側はこの学校で起きた問題に手を出さない……そういう決まりになっているんだろ?」
「! ほう……なるほど。その情報を手に入れたから、ツナに手を出そうとするわけか」
「まぁ、そういうことだな。で、どうする? 決まりを破って俺を消すか?」
ボンゴレの刺客が自分の邪魔をしてこない。その事実が山内を増長させてしまう。
今まで只の駒に過ぎなかった自分が、裏社会の人間と対等に渡り合っている。……そんな錯覚に山内は陥っていた。
平静を装いながらも、ニヤケそうになるのと止めるのに必死になっている。
「……いや、俺は決まりは破らない。ツナがここを卒業するまで、この敷地内で起きる問題に一切の手出しはするつもりはねぇ」
ボンゴレのヒットマンの口から確約された、誰も自分の邪魔を出来ないという事実。
山内はニヤニヤを抑えきれなくなってきていた。
「へ〜。じゃあなんで、俺に接触してきたんだ?」
「学校に潜り込んでいる、裏社会からの刺客を把握するためだ」
「なるほど、じゃあ本当にあんたらは俺に手を出せないわけだな?」
「そうなるな」
「そうかそうか、じゃあ計画は続行できそうだな」
「……計画だと?」
「まぁ、どうせここから逃げ出してもあんたらはしつこく接触してくるだろうからな、面倒だし、ここで教えてやるよ。俺が所属しているマフィアファミリーをな」
自分は天才だと思い込んでいる山内は、生来の目立ちたがりで自分をよく見せたいという性質も相まって、自分の考えた完璧な作戦を誰かに聞かせてやりたいという欲望が満タンになっていた。
「……ファミリーに所属はしてねぇだろ? お前はマフィアの飼い犬程度にしか見えねぇ」
「なっ!」
せっかく気持ちよく自らの計画を披露しようとしていたのに、謎の声の主であるボンゴレのヒットマンの一言で、盛り上がっていた気分に水を注されてしまった。
「……はん、まぁその通りだ。俺はマフィアじゃない。使い捨ての歩兵さ」
「使い捨ての歩兵だと?」
「俺に命令を下す組織は、組織に飼われている下っ端の事を、歩兵。もしくは『士兵ポーン』って呼んでいるんだ」
「士兵ポーンか……。そうか、なるほどな。お前を飼っているのは、最近なぜか影響範囲を広げだしている中堅マフィア。ジョーコファミリーだな?」
「! へ〜、よく分かったなぁ
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