]世、中間テストに向けて奔走する。
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に手に入れた」
「本当? 2人ともお疲れ様!」
「全然いいよ〜? それにしてもツナ君! ツナ君って切れ者なんだね! よくこんなアイデアを思いついたよね、過去問を先輩から売ってもらうなんてさ♪」
「え? いや、これは……」
「……」
過去問を買う案が俺の発案だと思われているようなので、思わず否定しようとしたら、本当の発案者である綾小路君が無言で首を横に振ったのが目に入った。
(……そういえば、綾小路君は目立ったりしたくないんだっけ? 確かにこの事がクラスメイトに伝われば救世主かのように持て囃されそうだもんな)
「あはは〜。ま、まあね?」
「念の為に過去問を手に入れて全員に配ろう」
そう俺に提案してくれた綾小路君が、桔梗ちゃんを誘って先輩と交渉してくれることになっていたんだ。無事に上手く行ってよかったよ。
(ま、とにかく。これで中間テストの準備は万全だな!)
そう確信した数日後。ついに中間テストの返却日がやってきた。
?? 返却日当日 ??
ホームルームの時間になり、茶柱先生が中に入って来る。
「よし、それでは、中間テストの結果を貼り出すぞ」
そう言うと茶柱先生は大きな紙を黒板に張り出した。
全教科の各々の点数が全て記載されている。
今回の中間テストでDクラスは……ほとんどの者が高得点を叩き出していた。
「よっしゃあ!」
「私こんな高得点取るの初めて! ありがとう櫛田ちゃ〜ん♪」
「そんな〜、皆が頑張った成果だよ〜!」
クラスメイト達が喜びの声を上げる中、俺はテスト結果を見て固まっていた。
それはなぜか……ある生徒の一教科の点数が気になったからだった。
(あの点数は……やばい気がする!)
そんな言い知れぬ不安感を感じていた。
そして、その不安は茶柱先生の発言で現実となる。
「正直驚いたぞ。お前達がこんな高得点を叩き出すとはな。だが……」
俺達の頑張りを褒めた茶柱先生は……油性ペンを取り出すと、一つの教科の欄に書かれたとある生徒の名前の下に赤線を引いた。
……これが何を意味するのか、想像するのは難しくない。
「お前は赤点だ。……須藤」
「……は?」
先生の告げたその言葉に、クラスメイト達はしばらく呆然としてしまっていた……
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