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ようこそボンゴレ]世。実力至上主義の教室へ
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た。

 

(兄さん? 堀北は生徒会長の妹なのか?)

 

 特に聞くつもりはなかったが、なぜかこの2人の会話を聞かなくてはいけない様な気がして、立ち止まって聞き耳を立てる事にした。

 

「わ、私は……もう昔みたいなダメな妹ではありません。兄さんに追いつこうと努力して、追いつく為にこの学校に来ました」

「ふん、その割に、配属されたのはDクラスではないか?」

「っ、すぐに、すぐにAクラスに上がってみせます! 私1人の力で!」

「……お前には無理だ。今だに己の弱点に気付いていないではないか。鈴音。お前の兄として、すぐに退学する事を勧めるぞ」

「! 無理ではありません! 必ずAクラスに上がりますから!」

「はぁ……聞き分けのない妹だ」

 

 生徒会長はため息を吐くと、堀北の腕を掴んでひっぱり、建物の外壁に叩きつけた。

 

「くっ!……」

「……鈴音。お前には上を目指す力も、その資格もない。それを知れ……」

「っ!」

 

 その時、生徒会長が拳を作り、堀北の腹に打ち込む素振りを見せる。

 

(あの型は空手か? とにかく、あれを打ち込ませるとまずい!)

 

 俺は全速力で2人の元に走り、打ち込む寸前で生徒会長の腕を掴んで後ろ手に引っ張った。

 

「! お前は……沢田だったか?」

「! 沢田くん!?」

「やめろ生徒会長。話が聞こえてきたが、そいつは妹なんだろう? 堀北をすぐに離せ」

 

 俺がそう言って生徒会長を抑えようとすると、堀北が今まで聞いた事がないほど弱々しい声で俺を止めてきた。

 

「やめて沢田君。私は、大丈夫だから。……兄さんを離して」

 

 あまりに普段と違う様子だったので、俺は掴んでいた生徒会長の腕を離した。

 

「……ふんっ!」

「っ!」

 

 俺が腕を離した途端、生徒会長は掴まれていた方の腕で裏拳を俺の顔面に向けて打ってきた。俺がそれを躱すと、今度は蹴りを顔面に向けて放って来る。

 

「ふんっ」

「!」

 

 俺は生徒会長の蹴りを片手で受け止めて力の方向を下に逃した。

 

 攻撃を二回も躱された生徒会長は、なぜか嬉しそうに笑った。

 

「中々いい動きだな。何か習っていたのか?」

「……中学が荒れてる学校だったんだ。おかげで攻撃を避けるのが得意になった」

「そうか……ならこれはどうだ?」

「!」

 

 生徒会長は拳と蹴りの素早い連続攻撃を放ってきた。一つ一つを上手く躱しつつ、どうしようか考えていると、10回目の裏拳が腹に向けて繰り出された。

 
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