]世、勉強会に参加する。
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「わざわざ部活を休んで来たってのに、とんだ時間の無駄だったぜ! 俺は帰るからな!」
「……じゃあ俺も! 堀北さんは頭がいいんだろうけど、そんな上から来られると、ついて行けねぇよ」
「お〜れも!」
須藤君は、勉強道具を乱暴にカバンに詰め込んで立ち上がる。それに続き、池君と山内君までも勉強を辞めて立ち上がってしまった。
「……赤点で退学になってもかまわないなら、好きにするのね」
「へんっ! じゃあな!」
捨て台詞を吐き、須藤君達は図書館から出て行ってしまった……
しばらく俺達の間に沈黙が流れる。どうしようかと考えていると、桔梗ちゃんが堀北さんに話しかけた。
「……堀北さん。あんな感じじゃ、誰も一緒には勉強してくれないよ?」
「……確かに私は間違っていたわね」
あれ、後悔してるんだ? と、思ったけど、その後に堀北さんから出た言葉は全くの別物だった。
「不毛な事で、余計な事をしたと痛感したわ」
「? それってどういう意味?」
「足手まといは今の内に退学してもらった方がいい……という事よ」
「っ!」
堀北さんのその言葉に桔梗ちゃんの表情が暗くなる。
「そう……分かった。だったら私がどうにかする。して見せる! こんなに早く皆とお別れなんて嫌だし、見捨てたくないの!」
そう強気の表情で言った桔梗ちゃんに対し、堀北さんは冷たい視線を向ける。
「あなたが本気でそう言ってるのなら構わないけど……ねぇ。あなたの本当の目的は何?」
「え? ……なにそれ? どういう意味?」
「あなたは私の邪魔がしたくて、勉強会に参加したんじゃないの?」
「なんで? ……意味が分からないよ。堀北さんはなんで、なんでそんな風に敵を作る様な事を簡単に言えちゃうの? そんなの、私は悲しいよ……」
桔梗ちゃんは俯き加減に勉強道具をまとめ出し、そして立ち上がった。
「……じゃあ、3人共また明日ね?」
「……うん、また明日」
肩を落としながら図書館を去っていく桔梗ちゃんを見送ると、堀北さんは短いため息をついて勉強道具をまとめ出した。
「はぁ……勉強会は終わりね。ここに残る意味もないし、私も帰るわ」
「……あの、堀北さん」
「お疲れ様」
堀北さんに声をかけようとするも、堀北さんはそれを拒否するようにスタスタと図書館から出て行ってしまった。
「……」
「……」
残された俺と綾小路君。俺達はどちらからともなく、勉強道具
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