]世、動き出す。
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北さんがまたも食事を促そうとする。
「綾小路君、あなたも早く食べたら? 沢田君は美味しそうに食べてるわよ?」
「モグモグ……綾小路君! これすっごい美味しいよ!」
「……では、いただきます」
笑顔でスペシャル定食を食べる俺を見ていてお腹が空いたのか、ようやく綾小路君はスペシャル定食に手をつけた。
「モグモグ……」
「……食べたわね?」
「……ゴクン。 え?」
「じゃあ早速、私の話をきいてもらうわよ」
「ちょっと待て。どういう事だ?」
「何? 食べたじゃない、私の奢ったスペシャル定食を。だったら私の話を聞くべきではないかしら?」
「……意味がわからんのだが?」
そんな2人のやり取りを見ながらハンバーグを味わっていた俺だが、ハンバーグが喉元を過ぎた瞬間に今やってる事が何なのかを思い出した。
(あ、そうだった。綾小路君にお願いを聞いてもらえる様に昼食を奢ってるんだったよね)
……にしても、こんな風に高圧的に攻めるとは思ってなかったんだけどなぁ。
これではお願いじゃなくて恐喝になるんじゃないかな?
「簡単よ。私はあなたに話を聞かせる為に昼食を奢ってあげているの。だから、綾小路君には私の話を聞く義務があるわ」
「……横暴だろ」
綾小路君の意見はもっともである。昼食を食べながら普通にお願いすると思ってたのに、まさか脅すとは思わなかったよ?
「堀北さん。そんな言い方しないで、普通にお願いしようよ! 綾小路君だって協力してくれると思うし……」
「……いいえ。私にとって、これはただの交渉ではないの。綾小路君に対する制裁でもあるのよ」
「え? 制裁?」
堀北さんは少し怒った様な顔で綾小路君を睨んでいる。一方、綾小路君はまったく表情を変えずに堀北さんを見据えていた。
「……綾小路君、なんかしちゃったの?」
「……いいや。心当たりがないな」
「あら、自分のやった事を忘れたの?」
「……何かやったか?」
全く身に覚えがなさそうな綾小路君。そんな彼を見て、堀北さんは鬱陶しそうに舌打ちをする。
「チッ……この前、私を騙したでしょう? 一緒にカフェに行ってくれとか言っておきながら、実際は私と櫛田さんを引き合わせるための口実だったんだから」
「! ああ、あの事を怒ってんのか」
簡単に言えば、桔梗ちゃんに頼まれた綾小路君が堀北さんをカフェに連れて行った事があったらしい。その時に騙して誘ったことが堀北さんは許せないとの事。
「……あの事
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