]世、仲間ができる。
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ら、毎日やるしかないだろ!)
そう思って意気揚々と走り出した俺だが、やっぱりきつくて途中で足が止まってしまう。
櫛田さんに会ったのは、ちょうど小休止している時だった。
「……あれ? 沢田君?」
「え? あ……櫛田さん」
櫛田さんは買い物帰りなのか、片手に買い物袋を提げていた。
一度帰宅したようで、制服ではなく私服姿だった。
櫛田さんは何だか嬉しそうに俺に近づき、笑顔で話しかけてくれた。
「沢田君、走ってたの?」
「ああ、うん。今ちょうど敷地内を一周してきた所なんだ」
「へ〜。って、ええ!? 敷地内を一周したの!?」
「うん……そうだよ?」
「うわぁ〜、沢田君すごいねぇ」
俺の返事に驚愕している櫛田さん。まぁ確かに相当辛いんだけどね。櫛田さんに褒めてもらえたので少し報われた気がします。
その後、櫛田さんは俺に顔を近づけてきた。
(あ、あんまり近づくと汗の匂いとかしちゃいますけど!?)
「えへへ……ねぇ、マンションまで付いて行ってもいいかな?」
「えっ? う、うん。もちろん」
というわけで、櫛田さんとマンションまで一緒に行く事になったんだ。
櫛田さんと並んでマンションへと歩く。歩きながら、櫛田さんは俺に質問をいくつかしてきた。
「ねぇ、沢田君って中学ではどんな感じだったの?」
「中学で? う〜んとね……1年の時は今よりもダメダメだったかな」
「……ダメダメ?」
「うん。テストは全教科赤点で、運動は全くできなかった。クラスメイトや同級生にはダメツナって呼ばれてたくらい」
「ええ? 全く想像できないなぁ」
驚きの表情で櫛田さんは俺の顔を見つめてきた。
「ん〜、まぁあの時に比べれば結構マシになったからね。中3になってからはダメツナって呼ぶ奴もいなくなったし」
「へぇ〜。ねぇ、変わるきっかけって何だったの?」
変わるきっかけ。その言葉を聞いて思い浮かべるのはたった1人しかいない。
俺の仲間であり家庭教師かてきょーでもある頼れる相棒、リボーンだ。
「……俺の事を指導してくれる奴に出会った事かな」
「指導?」
「うん、勉強とか、体の動かし方とかね。あ〜、心の在り方とかも教わったかな」
「その教えてくれた人がすごい人だったの?」
「うん。すごい奴だったよ。(赤ん坊なのに)頭もいいし、運動神経も(赤ん坊のくせに)抜群だったし」
「へぇ〜! じゃあ今走ってたのもその人の教えなの?」
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