世界復興祭編
復興祭
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「お前が・・・最強?」
まるで小馬鹿にしたように笑う彼に大男は目を細めたが、食って掛かるようなことはしない。いや、正確にはできなかった。その男のただならぬ雰囲気を察していたから。
「ずいぶん仲が良いようで・・・いいねぇ」
そんな中誰が聞いてもわかる嫌味を言い放った人物は立ち上がると、全員の視線を集めてから話し始める。
「俺たちはチームだ。勝手な行動は慎め。それと・・・」
フードをわずかに上げて全員に目を見せた青年。その眼光は鋭く、真剣であることを物語っていた。
「俺の指示通りに動けよ。それが出来ない奴はどうなるか・・・わかってるよな?」
完全なる脅し。それを聞いた彼らの反応は様々だったが、ただ、確実にこれだけは言えた。
「俺はハエどもを倒せればそれで構わねぇ」
「我もだ。あいつらをこの手で始末できるのならば・・・」
「私もだ。必ずあいつらを倒してやる」
「楽しみなことね」
多くの者が何かしらの恨みを抱えているのは言うまでもなかった。それが特定の人物に対してなのかは定かではないが、確実に何者かと戦うために彼らは動いていた。
「お前らにも悪いが協力してもらうぞ?人手が足りないからな」
「構わん。俺も楽しみにしていたところだ」
黒装束を身に纏っているその男は笑顔を見せて答える。そんな中、一人だけこの場にいながらここまで一言も口を開いていない人物がいた。
「なんだ?不服か?」
「いや・・・」
青年の問いに彼は頭を抱えるような仕草を見せる。それを見た青年は目を細めたが、彼は大きく息を吐き、思いの丈を述べる。
「俺はまた、罪を背負うのかと思ってな」
それを聞いた瞬間、ざわついていた全員が静まり返った。しばしの沈黙・・・だが、それを鼻で笑った青年が言葉を紡ぐ。
「これは罪じゃない。必要悪さ」
「同じことじゃないのか?」
「お前がそう思うならそれでもいいよ。ただ、これだけは言っておく。俺たちがこの世界の命運を握っていることを忘れるなよ」
そう言い残し青年はその部屋から出ていってしまう。あとに残された者たちは顔を見合わせた後、特に用事もなくなったからなのかそそくさとその場を後にした。
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