世界復興祭編
復興祭
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シリルside
俺たちが無事に100年クエストを終えてから数ヶ月。あれだけ騒がしかった世間は落ち着きを取り戻していた。
「なんか・・・退屈だなぁ」
思わずそんな声が漏れた。今までが色々ありすぎて常に騒がしい日常を過ごしていただけに、これだけ静かに日々を過ごしているとそんな気持ちになってしまうのも無理はない。最近は依頼も歯応えがあるものも少ないため、ギルドに来てもこのようにテーブルに突っ伏していることが増えていた。
「そんなこと言わないの」
「平和なのはいいことじゃない」
「むしろ今までが色々ありすぎだったんだよ〜」
同じテーブルにいるウェンディ、シャルル、セシリーにそう言われるが、それでもやっぱり退屈だ。何か面白いこと・・・できれば世界の滅亡とか重たい話は抜きでこの退屈な日常を一変させてくれるようなことが起きないだろうか。
「マスター、手紙が届いてますよ」
「ん?誰からじゃ」
遠くでミラさんがマスターを呼ぶ声が聞こえる。それを受け取ったマスターはお茶をすすりながら目を通していたのだが、その表情が少しずつ変化していく。
「なんだ?」
「何かあったのかな?」
その表情の変化からただ事ではないことはすぐにわかった。俺はテーブルから身体を起こし彼のその後の変化を観察しようとしていると・・・
「全員集合じゃ!!」
手紙を読み終えた彼はギルド全体に響く声でそう叫ぶ。
「どうしたんだよ、じっちゃん」
「何かあったのか?」
その大声には全員が驚いていた。この中でナツさんとグレイさんが問いかけると、マスターは真剣な表情で頷く。
「たった今国からある報せが来た」
「国から?」
「どういうことだ?」
手紙を送ってきた相手からしてすでにただ事ではないことを察知してルーシィさんとエルザさんも立ち上がる。今日は幸いなことにギルドに全員が集結していたのだが、その全員の視線がマスターへと注がれていた。
「来たる3ヶ月後、大魔闘演武を開催するとこの事だ」
「あぁ」
「なんだ、そんなことか」
大魔闘演武・・・魔導士ギルドによるフィオーレ一を決めるお祭りのことなんだけど、俺たちが天狼島で凍結封印されている間に開催されるようになったそれは毎年のように開催されている。今年もその季節が来たのかと考えれば盛り上がることもできるけど、そんなに大々しくいうほどのことでもないだろうと俺たちは気が抜けていた。
「わざわざ国から通達が来るなんて珍しいですね」
「まぁ・・・一応フィオーレ一のギルドと言われてるしな」
ミラさんも同様の疑問を抱いたようだったけど、ラクサスさんの言葉で納得する。一度解散したこともあり優勝した年以降の大魔闘演武は妖精の尻尾が参加していな
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