第七百話 工作員の表の仕事その十
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「出来る限りな」
「観て回って」
「知る、そして連合の学業もな」
「知るのですね」
「風俗や文化もな」
そうしたものもというのだ。
「これまで以上にな」
「知ってそして」
「我等の祖国にな」
ここで言うのはエウロパである、自分だけの祖国ならプロイセンとなるが大尉は敢えてこう言ったのである。
「知らせるぞ」
「そうしますね」
「まして相手はな」
「八条長官の学園なので」
「尚更だ」
「知る必要がありますね」
「そうだ、憎むべき敵だが」
八条はというのだ。
「エウロパにとってな、しかしな」
「敵を知ることですね」
「敵を知り己を知ってこそだ」
そうであってこそというのだ。
「勝てるな」
「どういった相手にも」
「連合は確かに下劣な国だ」
この偏見は変わらなかった。
「だがそれでも巨大だな」
「あまりにも」
上等兵もそれはと答えた。
「我等から見て」
「そうした敵なら尚更だ」
「巨大な敵であるのなら」
「何としても知ることだ」
「特に敵の中のですね」
「強敵はな」
そう呼ばれる者はとうのだ。
「何としてもな、だからだ」
「学園にですね」
「入りな、幸いどの施設も身分証明証を出してだ」
エウロパ政府が偽造したそれをだ。
「金を払えばな」
「入られますね」
「潜入どころかな」
そう呼ばれるものではなくというのだ。
「そうすればだ」
「堂々と入られますね」
「こんな楽な場所はない」
潜入に際してというのだ。
「そうだな」
「はい、確かに」
上等兵は確かは表情で答えた。
「只の学校やその関連施設なぞ」
「図書館に入ってだ」
「本を読んでもですね」
「よくわかるしな」
「工作員はよく図書館に行くといいますが」
「当然だ、図書館は本が集められている」
「即ち知識が」
「そこに行けばな」
その様にすればというのだ。
「実に簡単にだ」
「その国の知識が手に入りますね」
「本屋とな」
この店と共にというのだ。
「図書館はだ」
「情報収集に最適ですね」
「だからスパイはな」
「よく行くのですね」
「図書館や本屋にな」
そうだというのだ。
「そして博物館もだ」
「行きますね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「そうしてだ」
「学んでいきますね」
「連合という国、そしてだ」
「日本も」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
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