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神々の塔
第十九話 悪魔の正義その五

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「ちゃんとな」
「見んとあかんか」
「果たして正しいか」
「どうかやな」
「そや」
 まさにというのだ。
「それが大事や」
「そう言われたら新約は兎も角」
 トウェインは聖書のことを話した。
「旧約はな」
「どうもやな」
「洒落にならん行いが多いな」
「そう思うか」
「いや、わいもれっきとしたクリスチャンや」
 トウェインはそこは断った。
「それで信仰心はな」
「持ってるな」
「キリスト教は素晴らしい教えやってな」
「信じてるな」
「確信してるわ、そしてそれがな」
 まさにというのだ。
「信仰やてな」
「思ってるな」
「ああ」
 その通りだというのだ。
「そうな、しかしな」
「旧約の方はやな」
「あれするなこれするなでな」
「教えを破るとな」
「無茶苦茶酷い神罰が下るからな」
「それでやな」
「どうかって思うわ」
 こうリーに話した。
「ほんまな」
「紀元前の荒野の宗教やろ」
 今度はメルヴィルが言ってきた。
「それやと極限やからな」
「それでやな」
「あれだけ厳しくて禁欲的やったんやろ」
 こうリーに話した。
「ユダヤ教は」
「そしてキリスト教にな」
「その教えが受け継がれてるな」
「そやな」
「それで敵にも容赦がない」
「教えを破った者だけやなくて」
「そやな、しかし今はな」
 メルヴィルはあらためて述べた。
「全くちゃうからな」
「起きた世界でもこっちの世界でもな」
「法は時代によって変わって」
「教えもな」
 こちらもというのだ。
「やっぱりな」
「時代によって変わるな」
「それでこの世界やとな」
「ひいては起きた世界でも」
「他の宗教は認めて」
 キリスト教以外のというのだ。
「そしてや」
「悪魔についてもやな」
「客観的にな」
「見て考えることやな」
「それがええやろな」
「そういうことやな」
「まあ悪魔ってな」
 施も言ってきた。
「正直何が悪いか」
「わからんとこあるな」
「どうもな」
「そやな、私もな」 
 リーもというのだ。
「悪魔について調べるとな」
「どうもやな」
「そうは思えん、悪魔よりもな」
 こう呼ばれる存在よりもというのだ、リーは学者に相応しい深い思慮が見える顔になって話していった。
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