第七十九話 夏の終わりでその九
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「そんな馬鹿な話あるかよ」
「そうよね」
「本当に浮気はな」
「鳴海っちは絶対しないわね」
「それでかなもそうならな」
「お互いウィンウィンね」
「そうだよな、けれどな」
それでもとだ、鳴海は言うのだった。
「俺キスとかそこから先は本当にな」
「まだまだ先ね」
「高校生だとまずいだろ」
「中学でもうって人がいても」
「って嘘だろそれ」
かな恵の今の話に驚いて問い返した。
「中学生でってな」
「それどころか小学生で」
「マジかよ、そこまでいったら漫画だろ」
先日読んだそうした雑誌にあった幼女ものや所謂ショタものと呼ばれる作品を思い出してかな恵に言った。
「流石にな」
「あるみたいよ、これが」
「信じられないな」
「鳴海っちが信じられなくてもね」
それでもというのだ。
「実際にね」
「そんなこともあるのかよ」
「さっき武田信玄さんのお話出たけれど」
かな恵はこの人物の話をした。
「この人十三歳で結婚して最初の奥さん妊娠中によ」
「ああ、最初の奥さんすぐに亡くなったな」
「そうだったしね、前田利家さんは」
織田家の重臣で加賀藩の祖となった彼はというのだ。
「奥さん、あのおまつさんね」
「あの人か」
「奥さんが十二歳の時に結婚してね」
「正真正銘の幼女だな」
尚前田利家は二十代であった。
「それじゃあな」
「結婚してすぐに最初のお子さん生まれてるし」
「昔でもそれやばそうだな」
「実際に言われたらしいわ」
当時からもあまりに子供の頃の出産は母体に危険だとだ、尚前田利家は一八〇位の背丈で当時としてはかなりの大男であった。
「そうね」
「やっぱりそうだよな」
「けれど実際によ」
「中学生や小学生でもか」
「今だってね」
「インドとかでそんなことあるって聞いたけどな」
八条学園は世界中から人が集まるので世界中の話を聞けてそこにインドのものもあるのだ。
「実際にか」
「あるのよ」
「そうなんだな」
「それで十八歳からとか」
「キスはか」
「やっぱりね」
それはという言葉だった。
「私としてもね」
「奥手か」
「そう思うわよ」
「じゃあキス位はか」
「鳴海っちがよかったら」
それならというのだ。
「私はいいわよ。その先もね」
「考えさせてくれよ」
これが鳴海の返事だった。
「暫くな」
「それじゃあね」
「ああ、ただな」
「ただ?」
「いや、俺そうした経験ないからな」
鳴海はこのことは断った。
「絶対に失敗するぞ」
「ないのは私もよ」
かな恵は自分もと返した。
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